クリティカルシンキングとは?批判的思考の重要性
「クリティカルシンキング」ってなに?
「批判的」って怒ることじゃないの?
「クリティカルシンキング(批判的思考)」と聞くと、「なんだか怒ってそう…」「人の意見を否定すること?」と思うかもしれません。でも実は、クリティカルシンキングは「ただ疑う」「ケンカする」ことではありません。
ここでの「批判的」は、「よく考えて判断する」という意味。情報や意見をそのまま信じるのではなく、「本当にそうだろうか?」と自分の頭で考えて、納得できるかどうかを確認する力のことなんです。
物ごとをうのみにせずに考える力
たとえば、友だちが「このアプリ、絶対に使わないほうがいいよ!」と言ったとします。あなたは「なんで?」と理由を聞いたり、他の人の意見も調べたりするかもしれませんよね。この「いったん立ち止まって、考える」という行動こそが、クリティカルシンキングの第一歩なんです。
クリティカルシンキングが必要な理由
情報が多すぎる時代には「見極める目」が大切
今の時代、スマホやインターネットで、たくさんの情報にふれることができます。でもその中には、間違っていたり、かたよった意見だったり、わざと人をだまそうとする情報もあります。
だからこそ、「この情報はほんとうに正しいのか?」「だれが言っているのか?」「ほかの見方もあるかも?」と考えるクリティカルシンキングの力が大切なんです。
人の意見に流されにくくなる
学校でもSNSでも、いろいろな人の意見にふれることがあります。中には「みんながこう言ってるから、そうなんだ」と思ってしまいそうなことも。でも、クリティカルシンキングが身についていれば、「それって本当?」「違う考え方はないかな?」と考えることができ、人に流されずに自分で考えて動くことができます。
どうやって身につける?考え方のコツ
「本当にそう?」と一度立ち止まる習慣
クリティカルシンキングを身につけるための第一歩は、「本当にそうかな?」と立ち止まること。ニュースを見たとき、誰かが何か言ったとき、自分の中に「?」を持つことが大事です。
それは相手を疑うということではなく、「もっとよく理解したい」「ちゃんと判断したい」という前向きな姿勢なんです。
いろんな立場や視点から見てみる
クリティカルシンキングでは、「自分とは違う立場の人なら、どう考えるだろう?」と考えてみることも大切です。たとえば、あるルールに不満を感じたとき、そのルールを作った人の立場になってみると、ちがう理由が見えてくるかもしれません。
いろんな角度から物ごとを見ることで、より深く理解できるようになります。
身近な例でクリティカルシンキングを使ってみよう
SNSやニュースを読むときの考え方
SNSでは「○○は危険!」とか「この方法で絶対に成功!」など、強い言葉がよく使われています。でもそれが本当に正しいとは限りません。
そんなとき、「その情報はどこから来てる?」「ほかの意見はある?」「この人はなんの目的で言ってる?」と考えるクセをつけるだけで、だまされたり、思いこみに引っかかったりすることが少なくなります。
友だちとの会話や意見のちがいでも使える
友だちと意見がちがうとき、「なんでそう思うの?」と聞いてみることもクリティカルシンキングの一つです。ただ「違う!」と返すのではなく、理由を聞いたり、自分の考えを言葉にしたりする中で、おたがいに新しい気づきが生まれることもあります。
会話の中で「自分とちがう意見も大事にする」ことが、クリティカルシンキングを深めるコツです。
よくある勘違いと注意点
「否定すること」とはちがう
クリティカルシンキングは「なんでも反対する」ことではありません。むしろ、「その意見がなぜ出てきたのか」「どこに根拠があるのか」をていねいに考えることです。
人の意見をすぐに否定するのではなく、「理由は?」「ほかの選択肢は?」と考えることで、よりよい答えを一緒に見つけていくことができるのです。
疑うことと、信じないことは別もの
クリティカルシンキングでは、情報や意見を「一度疑う」ことが大事。でもそれは「なんでも信じない」ということではありません。「うのみにしないけど、ちゃんと見て、考えて、納得してから信じる」という姿勢です。
これは、相手に対する敬意を持った考え方でもあるんです。
まとめ:考える力を鍛える「クリティカルシンキング」
情報があふれる時代に、自分で考えることの意味
これからの時代、情報が多すぎて「なにを信じていいかわからない」と感じることもあるかもしれません。そんなときこそ、クリティカルシンキングの力が役立ちます。
「自分はどう思うか?」「この情報はどこから来ているか?」を考えることで、まわりに流されず、自分なりの判断ができるようになります。
すぐに答えを出さなくていい、「問い続ける力」
クリティカルシンキングは、正解を出すための考え方ではありません。「考え続ける力」「問いを持ち続ける姿勢」がいちばん大切です。
たとえすぐに答えが出なくても、「なぜ?」「ほんとうに?」と問い続けることで、あなたの考える力はどんどん育っていきます。