「アレルギーの素因を持っていない人は花粉症にはなりません」。環境省の花粉症環境保健マニュアルは、そう言い切っています。入口の鍵を握っているのは体質のほうです。ただし素因があるだけでも症状は出ません。花粉を数年から数十年浴び続け、体の中の抗体が一定量を超えて、はじめて発症します。
つまり「なりうるかどうか」を決めるのが体質で、「実際になるか、いつなるか」を決めるのが浴びた花粉の量です。どちらが効くのかという問いには、担当している場所が違う、という答え方になります。もうひとつ数字を置いておきます。日本人の花粉症有病率は1998年の19.6%から2019年には42.5%へ上がりました。21年で2.2倍です。遺伝子がその間に入れ替わったはずはありません。
花粉症になるには何が必要なのか

発症には二つの条件がそろう必要があります。体質という入場券と、花粉を浴び続けた時間です。片方だけでは足りません。
素因が無い人は発症しない
花粉は空気中を漂っているだけの植物の細胞で、それ自体に毒はありません。同じ量を浴びても平気な人がいるのは、体の側が反応しないからです。
マニュアルが言い切っている一文
環境省のマニュアルには「花粉が体内に入ってもすぐに花粉症になるわけではありませんし、アレルギーの素因を持っていない人は花粉症にはなりません」と書かれています。行政の文書としてはかなり強い断定です。ここだけを読めば、勝負は生まれたときについている、という話に見えます。
素因の正体はIgE抗体の作りやすさ
アレルギー素因とは、特定の物質に対してIgE抗体をせっせと作ってしまう免疫のクセのことです。この抗体ができると、次に同じ花粉が入ってきたときに肥満細胞という細胞が刺激され、ヒスタミンなどの物質が放出されます。くしゃみも鼻水も涙も、その物質が起こしている反応です。
※ IgE抗体とは、免疫が作る抗体のうちアレルギー反応を引き起こす種類のものです。原因となる物質ごとに別々の抗体が作られるため、スギに反応する抗体とブタクサに反応する抗体は別物になります。
感作と発症は別のできごと
医学の世界では、体が花粉を覚えた状態と、症状が出た状態を別々の言葉で呼び分けます。この二つの間には、しばしば十年単位の距離が空いているのです。
体が花粉を覚える段階
素因のある人の体内に花粉が入ると、その花粉に対応するIgE抗体が作られはじめます。これを感作(かんさ)が成立したと言います。感作の時点では、本人に自覚できる変化は何も起きません。血液検査をすれば抗体は見つかりますが、鼻はいたって静かなままです。
抗体がたまるまでの数年から数十年
感作が成立しても、すぐに全員が発症するわけではありません。マニュアルの表現では「人によって期間が違いますが数年から数十年花粉を浴びるとやがて抗体が十分な量になり」症状が出てくるとされています。幅が数年から数十年というのは、ずいぶん大ざっぱに見えます。その幅こそが、浴びた花粉の量で決まる部分です。
「去年まで平気だった」が起きる理由
花粉症はある年の春に唐突に始まったように感じられます。前の年まで何ともなかったのに、という声はよく聞きます。実際には、その何年も前から準備は静かに進んでいたわけです。抗体は少しずつ積み上がっていて、たまたまその年に必要な高さを越えた。本人が気づけるのは越えた瞬間だけなので、突然に思えます。
この仕組みは、発症する年齢が飛散量に引きずられることも意味します。浴びる量が多ければ抗体は早くたまるので、発症は前倒しになる。少なければ、生涯たまりきらずに終わる人もいます。
マニュアルは、飛散する花粉量の増加や体質の変化によって感作までの期間も発症までの期間も短くなり、小さな子供でも花粉症にかかるようになったと書いています。かつては大人の病気という印象があったものが、保育園児にまで降りてきた。体質が数十年で変わったというより、浴びる量が変わったと考えるほうが自然です。
体質はどこまで決めているのか

入場券を配っているのが体質だとして、では配られる確率はどれくらい親から受け継がれるのでしょうか。ここは数字がはっきりしている部分と、研究者の間でも揺れている部分が混ざっています。
両親のアレルギー歴と子の有病率
親の体質が子に影響するという話は、印象論ではなく調査で確かめられています。しかも同じ調査が、環境の効き目も同時に拾っていました。
小学生約5000人を追った調査
環境省は2002年から2年間、約5000人の小学生を対象とした大規模調査を行いました。その結果、スギ花粉症の有病率は「スギ花粉の飛散数」と「両親のアレルギー歴」の両方と関連することが認められています。片方だけが効いているのではありません。子どもが住んでいる場所と、親から受け継いだ体質が、どちらも成績表に名前を残していました。
二つの要因が別々に効くということ
この結果の面白さは、体質と環境が対立していない点にあります。飛散数の多い土地に住む子は発症しやすく、その中でも親にアレルギーがある子はさらに発症しやすい。かけ算になっているわけです。どちらが効くかという問いの立て方そのものが、少し不正確だったことが見えてきます。
一卵性と二卵性で一致率に差が出ない
遺伝の効き目を測る古典的な方法が双子の比較です。遺伝子がまったく同じ一卵性と、きょうだい程度しか共有しない二卵性で、同じ病気になる割合を比べます。差が大きいほど遺伝が効いている、という読み方をします。
遺伝だけで決まるなら、一卵性のほうが一致率は高くなるはずです。その差の大きさが、そのまま遺伝の取り分になります。
韓国の648組で出た数字
ところが韓国の648組の双子を調べた研究では、アレルギー性鼻炎が二人ともに出た割合は一卵性で77.5%、二卵性で78.7%でした。統計的な差はついていません。著者らは、韓国の成人ではアレルギー疾患の発症に環境要因のほうが実質的に寄与していると結論づけています。
もっとも、これは一つの集団を切り取った調査です。別の国や年代では遺伝の効き目がはっきり出た報告もあり、遺伝は関係ないと読むのは行き過ぎでしょう。確かなのは、遺伝の取り分が場所と時代によって動く量だということです。
アレルギー素因は花粉症専用ではない
受け継がれるのは「スギに弱い体質」ではなく、もっと大ざっぱな「何かに過敏になりやすい体質」です。そのため、家族の中で症状の出る場所がばらばらになります。
喘息やアトピーと同じ仕組みで動く
気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー、そして花粉症。これらはどれもIgE抗体が関わる反応で、舞台が気道か皮膚か腸か鼻かという違いにすぎません。親が喘息で子が花粉症、という組み合わせが珍しくないのはそのためです。受け継がれたのは反応の場所ではなく、反応しやすさでした。
果物で口がかゆくなる人がいる
シラカンバ花粉症の人がリンゴやモモを食べると口の中がかゆくなる、という現象が知られています。花粉のたんぱく質と果物のたんぱく質の形が似ていて、抗体が取り違えるために起こります。スギ花粉症ではトマト、ブタクサ花粉症ではスイカで同じことが起きる人がいる。鼻の話だと思っていたものが、いつのまにか食卓まで出張してくるわけです。
21年で2.2倍という増え方は何を意味するのか

ここからが環境の担当分です。体質の話だけでは、どうしても説明のつかない数字があります。
三回の全国調査が並べた数字
日本の花粉症患者が何人いるかを正確に数えた統計はありません。代わりに参照されるのが、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした鼻アレルギーの全国調査です。1998年、2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されました。
| 調査年 | 花粉症全体 | スギ花粉症 |
|---|---|---|
| 1998年 | 19.6% | ― |
| 2008年 | 29.8% | ― |
| 2019年 | 42.5% | 38.8% |
10年ごとに約10ポイントという上がり方
19.6%、29.8%、42.5%。判で押したように10年で10ポイントずつ積み上がっています。2019年の時点で、日本人の5人に2人が何らかの花粉症を持っている計算になりました。スギ花粉症だけでも38.8%で、ほぼ3人に1人です。
増えているのはスギだけではない
スギ以外のイネ科やブタクサによる花粉症も同じ方向に動いていて、2019年には25.1%になっていました。4人に1人です。スギ人工林という日本特有の事情だけでは説明しきれない広がり方をしています。年齢層で見ると10代から50代でスギ花粉症の有病率が45%を超えていて、働き盛りの世代がまともに当たっている構図です。
遺伝子は21年では変わらない
ここで最初の問いに戻ります。1998年から2019年までは21年、世代で言えば一巡もしていない長さです。日本人の遺伝的な構成がその間に2.2倍アレルギーを起こしやすくなった、という説明は成り立ちません。集団の遺伝子はそんな速さでは動かないからです。
すると増えた22.9ポイントぶんは、体質以外の何かが作ったことになります。浴びる花粉が増えたのか、生活が変わったのか、あるいは診断される機会が増えたのか。いずれにせよ体の外で起きた変化です。個人の中では体質が大きく効き、社会全体の増減では環境が効く。同じ病気を見ていても、視点の高さで主役が入れ替わります。
東京都の調査でも10年で倍近くに
全国調査は医師とその家族が対象なので、一般の住民ではどうなのかという疑問は残ります。東京都は昭和58年からほぼ10年おきに、同じ地域の住民に同じ方式の調査をかけてきました。
三つの区市で足並みがそろった
2016年度の調査では、スギ花粉症の推定有病率があきる野市で48.5%、調布市で47.7%と出ました。大田区は49.1%です。10年前の2006年はそれぞれ28.0%、27.1%、28.5%です。どの地点もほぼ同じ幅で跳ね上がっていて、しかも区市の間に差がほとんどありません。山寄りの町も都心も、同じように増えていたことになります。
全年齢区分で上がっていた
年齢区分別に見ても、0歳から14歳、15歳から29歳といったすべての区分で前回調査を上回っていました。特定の世代だけが割を食ったのではなく、社会全体が底上げされた形です。なお各回で有病判定の基準や推計方法に変更があるため、都は数字の単純比較はできないと断っています。それでも上がり方の大きさは無視できません。
住む場所によって主役のアレルゲンが変わるのはなぜか

環境が効いていることの、いちばん分かりやすい証拠が地域差です。同じ日本人でも、住んでいる場所によって敵の顔ぶれが変わります。
北海道の主役はシラカバ
本州で春の花粉といえばスギですが、北海道ではその常識が通りません。主役の座にいるのはシラカバです。
札幌や旭川ではスギの数倍が飛ぶ
環境省のマニュアルによれば、札幌や旭川ではスギ花粉の数倍ものシラカバ花粉が観測されています。北海道ではスギやヒノキの植林が極めて少なく、代わりに本州と違って平野部にもシラカバがたくさん植えられているためです。飛散の時期も4月中旬から6月ごろと、本州のスギよりだいぶ後ろにずれます。
スギは道南の一部にしかない
道内のスギ分布は道南の一部に限られていて、スギ花粉は函館周辺で観測される程度にとどまります。北海道へ移住したらスギ花粉症が軽くなったという話には、こうした裏づけがあるわけです。ただしシラカバという別の待ち伏せがあるので、手放しで避粉地とは言えません。
スギ林の分布が地図をそのまま決める
どの花粉症になるかは、まわりに何が生えているかでほぼ決まります。植生の地図が、そのまま患者の地図になっているわけです。
| 花粉 | おおよその時期 | 主な分布 |
|---|---|---|
| スギ | 春先 | 北海道南部から九州。東北と九州に特に多い |
| ヒノキ | スギのやや後 | 北海道と沖縄を除く各地。東海以西に多い |
| シラカンバ | 春から初夏 | 北海道は平野部にも。他地域は標高の高い場所 |
| イネ科 | 初夏ごろ | 河川敷や手入れのされていない野原 |
| ブタクサ | 秋 | 河川敷や空き地 |
約450万ヘクタールの植林地
スギは北海道南部から九州にかけて植林されていて、その面積はおよそ450万ヘクタールにのぼります。東北地方と九州に特に多いという偏りもあります。ヒノキは北海道と沖縄を除く各地にありますが、東北から北陸には比較的少なく、東海地方から西に多い。関東以西では、年によってスギよりヒノキの花粉が多く飛ぶこともあります。
草の花粉は足元にある
イネ科やブタクサの花粉は、市街地の観測点ではそれほど多く出ません。ところが河川敷や手入れのされていない広場ではかなり多いと報告されています。樹木の花粉が空から広域に降ってくるのに対し、草の花粉は数十メートル単位の距離で効く。ジョギングコースを変えるだけで症状が変わる人がいるのは、この違いによるものです。
引っ越しで症状が入れ替わる
体質が同じままでも、住む土地を変えれば浴びる花粉の構成が変わります。本州から北海道へ移った人が春先に楽になり、代わりに初夏へ向けて目がかゆくなる、といった入れ替わりが起こりうるわけです。
この現象は、素因が特定の植物に向けられたものではないことを裏返しで示しています。持っているのは反応しやすさで、何に反応するかは浴びたもので後から決まる。土地が変われば、決まり直します。
もっとも、いったん成立した感作が引っ越しで消えるわけではありません。スギの抗体を持ったまま北海道へ行けば、帰省した春に思い出したように症状が出ることもあります。体は、一度覚えたものをなかなか忘れてくれません。
症状の重さを左右するものは何か

発症するかどうかとは別に、出た症状がどれくらいつらいかという問題があります。ここに深く絡んでくるのが生活側の条件です。
増加要因として挙がっている生活の変化
患者が増えた理由として、環境省のマニュアルはいくつかの候補を並べています。どれも決定打ではなく、指摘されているという書き方にとどまっている点は押さえておきたいところです。
食生活と腸内細菌と感染症
挙げられているのは飛散する花粉数の増加・食生活の変化・腸内細菌の変化、そして感染症の減少です。幼いころに細菌やウイルスと接する機会が減ると免疫の訓練が足りなくなる、という説明は衛生仮説と呼ばれます。魅力的な筋書きではあるものの、個人が自分の腸内細菌を狙って組み替えられるわけではありません。
1970年代前半から急に増えた日本
欧米では枯草熱(こそうねつ)と呼ばれる似た病気が昔から多く報告されていました。ところが日本での報告が急増したのは1970年代前半からです。この時間差から、食生活をはじめとする生活習慣の欧米化が人間側を変えたのではないか、という意見も出ています。ちょうどスギの植林地が花粉を出す樹齢に達した時期と重なるのが、話をややこしくしている点です。
症状を悪化させる外側の条件
発症させる力と、悪化させる力は別に数えられています。後者に並ぶのは、もう少し身近な要素です。
汚染物質と喫煙と乾燥
症状を悪化させる可能性があるものとして、空気中の汚染物質・喫煙・ストレス・都市部の空気の乾燥が挙げられています。とりわけ喫煙については、症状との関連性が強いとする報告があるとマニュアルは書いています。鼻の粘膜が荒れていれば、同じ量の花粉でも反応は大きく出る。もっともな話です。
黄砂と、閉め切った部屋の燃焼
春先の黄砂が症状を悪化させる可能性も指摘されています。意外なのは室内側で、換気の悪い部屋でのストーブやガスレンジの燃焼による汚染も、悪化に関係するとの指摘がある。花粉を入れたくなくて窓を閉め切る行動が、別の経路で裏目に出ることもあるわけです。
生活の側で手が届く範囲
では何ができるのか。マニュアルの予防の項目は、意外なほど地味なことしか書いていません。睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけること。正常な免疫機能を保つために重要だ、という理由づけです。
加えて、風邪をひかないこと、飲酒と喫煙を控えること。こちらは鼻の粘膜を正常に保つためだと説明されています。特効薬めいた話は出てきません。
そして基本はやはり、花粉そのものを避けることです。飛散が多いのは昼前後と夕方。外出時は花粉の付きにくい服を選び、マスクとメガネで防いで、帰宅時に払ってから家へ入る。地味ですが、浴びる量を減らすことは発症を遅らせることと同じ意味を持ちます。
スギ林を2割減らす計画は効くのか

環境の側を国ごと変えようという動きもあります。浴びる花粉の総量を、林業の側から減らしにいく計画です。
10年で2割、30年で半減という目標
2023年5月、花粉症に関する関係閣僚会議が「花粉症対策の全体像」をまとめました。発生源対策、飛散対策、発症・曝露対策の三本柱という組み立てです。
伐採と植え替えを加速させる
この全体像では、10年後に花粉発生源となるスギ人工林を約2割減らし、約30年後には半減させることが目標に置かれました。具体的には令和15年度までに約2割、令和35年度ごろに約5割という数字です。伐ったあとには花粉の少ない苗木や別の樹種を植える。林業に向かない場所は広葉樹林へ変えていく方針も示されています。
花粉の少ない苗木という品種
花粉の少ない苗木は、通常のスギの約2割しか花粉を出さないものとして計算に組み込まれています。ゼロではなく2割というところが現実的です。林野庁は平成3年からこの開発に着手していて、30年以上かけて実用化にこぎつけた道具でもあります。ただし、その苗木が植えられた面積はスギ人工林全体の1%以下にとどまります。道具はできても、まだほとんど配られていません。
444万ヘクタールのうち431万がすでに花粉を出す
計画の数字を眺めていて、いちばん効いたのがこの内訳でした。手遅れという言葉が頭をよぎります。
97%がすでに花粉を出す年齢
全体像を決めた時点で、日本のスギ人工林は約444万ヘクタール。このうち花粉の発生源となる20年生を超えたスギ人工林が約431万ヘクタールを占めていました。割合にして約97%です。つまり、これから成熟して花粉を出しはじめる予備軍はほとんど残っておらず、伐らないかぎり総量は減りません。
植えてから20年は静かでいてくれる
スギは植栽後20年程度までほとんど花粉を出さず、樹齢25年から30年に達するころから雄花(おばな)を多くつけるようになります。裏返せば、いま植え替えた木は20年間おとなしくしているということ。10年後に2割、30年後に半減という気の長い目標は、この樹木の時間割から逆算されたものです。
体の側で曝露を先回りする方法
国の計画が効いてくるまでには時間がかかります。その間に個人ができることは、大きく二つに分かれます。
浴びる量を減らすことが時間を稼ぐ
ひとつは、浴びる量を減らして感作の進みを遅らせることです。抗体がたまる速さは曝露量で決まるのですから、いま症状の無い人にとっても意味があります。花粉を避ける行動は、症状の緩和だけでなく発症を遅らせる手段でもある、というのがマニュアルの位置づけです。
完治の可能性がある唯一の治療
治療としては、完治の可能性があるのはアレルゲン免疫療法だけだとされています。従来の方法は副作用や長い治療期間の割に完治率が高くありませんでした。近年は重い副作用が少なく、頻繁な通院も要らない舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)が実用化され、良い成績をあげています。
どの花粉に感作されているかは、耳鼻咽喉科や眼科、アレルギー科の検査で調べられます。症状の出る季節から原因を推測することもできますが、思い込みで外していることも少なくありません。
体質は配られた手札で、取り替えがききません。浴びる花粉は場に出ている札で、こちらは動かせます。21年で2.2倍という日本の数字は、動かせるほうの札が大きく動いた記録でもあります。それなら、少しずつ戻していくこともできるはずです。444万ヘクタールの木を相手にするには、ずいぶん長い時間がかかりますけれど。
参考
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル 2022」(2022年3月改訂版)
- 林野庁「花粉発生源スギ人工林減少推進計画」
- 林野庁「花粉発生源対策Q&A」
- 一卵性・二卵性双生児のアレルギー疾患一致率の比較(Journal of Personalized Medicine 13巻5号、2023年)
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