部屋干しでタオルがゴワゴワになる理由——繊維と水分の関係を知る

暮らしの知恵
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部屋干しにしたタオルがゴワゴワになる一方、乾燥機を使うとふんわり仕上がる。同じタオルなのにこれほど差が出るのは、乾き方の違いが繊維に与える影響が大きいためです。

部屋干しでゴワゴワになる理由と対策

主な原因と対策は次の通りです。

原因対策
パイルが倒れたまま乾く乾く前に一度強くふり振って形を整える(「パタパタ」と10〜20回振る)
乾燥が遅く雑菌が増える扇風機・サーキュレーターで風を当てて乾燥時間を短縮する
繊維に柔軟剤が蓄積している柔軟剤を減量または中止。重曹を加えて洗うと蓄積物が落ちやすい
すでにゴワゴワになっているコインランドリーの乾燥機に10〜15分かけると繊維が回復することがある

タオルがゴワゴワになる仕組み

水分が蒸発するとき繊維が潰れて固まる

タオルのふわふわした感触は、表面に無数の細い糸のループ(パイル)が立っていることで生まれます。このパイルが濡れた状態でゆっくり乾くと、水の表面張力によってループ同士が引き寄せられ、乾いたときに倒れた状態で固まるのです。

空気が動かない室内では蒸発がゆっくり進むため、この現象が特に起きやすくなります。パイルが一度倒れると、ただ洗うだけでは元の立ち上がりには戻りにくくなります。

雑菌の繁殖がさらに繊維を傷める

部屋干しでは乾燥に時間がかかるため、湿った繊維の上で雑菌が増殖しやすい環境が生まれるのです。雑菌は繊維のタンパク質を分解しながら増えるため、繊維そのものが少しずつ傷んでいきます。

繊維が傷むとパイルの弾力が失われ、洗濯を重ねるたびにゴワゴワ感が増していきます。酸っぱい臭いが気になるようになった頃には、繊維のダメージも進行しているサインです。

乾燥機・外干しとの違い

乾燥機の温風と振動がパイルを立たせる

乾燥機は温風を当てながらドラムを回転させるため、タオルが何度も空中に舞い上がります。このときの物理的な衝撃がパイルを起こし、水分が飛ぶ前にループが立った状態をキープしたまま乾燥が完了します。

温風の熱も重要な役割を果たしているのです。高温で短時間乾かすと水の表面張力が働く時間が短くなり、パイル同士が引き寄せられる前に乾ける仕組みです。

外干しでは風と紫外線が代わりを担う

屋外干しでも、風がタオルをはためかせることでパイルに物理的な刺激が加わります。さらに紫外線には殺菌効果があり、雑菌の増殖を抑える点でも部屋干しより有利です。

晴れた日に外干しすると仕上がりが柔らかくなりやすいのはこのためで、乾燥機と同じ「動かしながら乾かす」という原理が自然の風で実現されています。

豆知識——タオルの「パイル」が倒れやすい素材の違い

タオルに使われる綿の品種によって、パイルの倒れにくさは大きく異なるのです。一般的な綿に比べ、エジプト綿(Egyptian Cotton)やスーピマ綿は繊維が長く細いため、パイルが立ちやすく倒れにくい特性があります。

また、今治タオルや泉州タオルのような産地ブランド品は製造工程で繊維の密度や撚り(より)に独自の工夫をしており、部屋干しでもゴワゴワになりにくいものが多いとされています。価格帯が高い高品質タオルが長持ちしやすいのは、この繊維品質の差によるものです。

部屋干しのゴワゴワは「乾かし方」と「繊維の品質」の両方が絡み合った結果です。乾燥機に頼れない日は、洗濯後すぐの”10回振り”を一度試してみてください。パイルの向きが変わるだけで、仕上がりの差は案外はっきりと感じられます。

柔軟剤の使いすぎが臭いの原因になる仕組みについては、柔軟剤の使いすぎが臭いの原因になる?で詳しく解説しています。