歴史と変遷の話

言葉と論理の話

「馬鹿」の語源は決着していない——馬も鹿も、音を借りただけの当て字

「馬鹿」という字を分解すると、馬と鹿が並びます。けれど意味の上では、この二頭はどちらも無関係とされています。音を写すために選ばれただけの字だからです。では、その音はどこから来たのでしょうか。ここが厄介なところで、国語辞典の語源欄にはいくつも...
言葉と論理の話

「親の七光り」の「七」は七つではない——光の正体と言葉の由来

「親の七光り」の七つの光を並べた一覧は、どの辞書にも載っていません。七つの何かが実在しないからです。この言葉の「七」は、数えるための七ではありません。では何を指しているのか。もとの形をたどっていくと、光の持ち主が親とは限らなかったことまで見...
言葉と論理の話

「あいうえお」の並びはどうやって決まったのか——お経を正しく読むために作られた表

「あいうえお、かきくけこ」という並びは、日本語の都合で決まったものではありません。もとをたどれば、インドの文字を並べた表の順番です。表を作ったのも、子どもに文字を教えたい人ではありませんでした。お経を正しく読みたい平安時代の僧侶たちです。私...
歴史と変遷の話

信号機の「通りゃんせ」が減っているのは、曲では『方向』が伝わらないから

横断歩道で流れていた「通りゃんせ」や「故郷の空」。あの音が、いつの間にか「ピヨピヨ」や「カッコー」に置き換わっています。理由は音楽の好みが変わったからではありません。メロディーには、目の不自由な人がいちばん知りたい情報――「どちらへ渡ればい...
歴史と変遷の話

「二枚目」「三枚目」はなぜイケメン・お笑い役なのか——歌舞伎の看板の順番

かっこいい人を「二枚目」、ちょっとおどけたお笑い担当を「三枚目」と呼びます。ふだん何気なく使う言葉ですが、よく考えると不思議です。なぜ「枚」で人を数え、しかも二枚目と三枚目で、意味がこんなにちがうのでしょうか。その答えは、江戸時代の歌舞伎に...
歴史と変遷の話

正座はいつから「正しい座り方」になったのか——昔の日本人は正座していなかった

畳の上できちんと膝をそろえる正座は、いかにも「日本古来の伝統」に見えます。ところが歴史をたどると、その姿は意外なほど新しいものでした。昔の日本人は、正座などしていなかったのです。浮世絵に描かれた人々の多くはあぐらをかき、女性は立て膝で座って...
歴史と変遷の話

「士農工商」は実はなかった——教科書から消えた身分制度の話

「江戸時代には士農工商という身分制度があり、武士を頂点に農民・職人・商人と続いた」——そう習った記憶のある方は多いはずです。ところが今の教科書には、この「士農工商」という言葉がもう載っていません。じつは近年の研究で、士農工商は身分の序列を表...
歴史と変遷の話

「一週間が7日」なのはなぜか——曜日の名前と暦の起源

一週間はなぜ7日なのか。古代バビロニアが、肉眼で見える7つの天体と月の満ち欠けから定めた暦が起源です。曜日名にひそむローマと北欧の神々、日本の七曜と空海、そして安息日まで解説します。
歴史と変遷の話

なぜ地図は「北が上」なのか—向きが決まった歴史と慣習

地図はなぜ「北が上」なのか。中世ヨーロッパは東、イスラム圏は南が上でした。プトレマイオス・羅針盤・メルカトル図法をへて、向きが北に定まるまでの歴史をたどります。