暮らしの家事・科学

暮らしの知恵

柔軟剤と洗剤は何が違うのか——打ち消し合うので投入口が別

洗剤と柔軟剤のいちばん大きな違いは、汚れを落とす力の強さではありません。洗剤は繊維から余さず洗い流されるために作られていて、柔軟剤は繊維にわざと残るために作られています。目的が正反対なのです。洗濯機に投入口が二つあり、片方が最後のすすぎまで...
言葉と論理の話

蚊帳とはどんな道具か、「蚊帳の外」に置かれると何を失うのか

「蚊帳の外」に置かれた人がいちばん困ったのは、話に加われないことではありませんでした。蚊に刺されることです。蚊帳(かや)は、寝床の上に吊って四方を囲う目の粗い網です。中にいれば蚊は入ってこず、風だけが通り抜けます。外で寝る人は、その一晩ずっ...
社会と仕組みの話

消臭剤と芳香剤は何が違うのか——香りを足すのは四つのうち一つ

消臭剤と芳香剤の違いは、パッケージの片隅にある「品名」の欄で見分けられます。ここに入る言葉は四つあり、香りを足す仕事をしているのは、そのうち「芳香剤」だけです。四つを決めているのは法律ではありません。メーカーが集まってつくった業界の自主基準...
暮らしの知恵

蚊取り線香の器はなぜ豚なのか——横にした徳利が豚に見えた

蚊取り線香を入れる陶器の豚には、蚊遣り豚(かやりぶた)という名前があります。なぜ豚なのかをたどっていくと、妙なことに気づきます。「豚を作ろうとした」という説明が、どこにも出てこないのです。由来は一つに定まっていません。江戸時代の遺跡から出た...
暮らしの知恵

打ち水はなぜ涼しいのか——下がるのは気温でなく路面

打ち水が涼しいかどうかは、どの温度を測るかで答えが変わります。猛暑日のアスファルトに水をまけば、表面温度は20℃ほど落ちます。ところが同じ場所に立てた温度計の気温は、ほとんど動きません。「効く」と言う人と「気休めだ」と言う人が、どちらも自分...
からだの話

静電気はなぜ冬に起きやすいのか、痛い人と平気な人は何が違う?

冬にドアノブへ手を伸ばして「バチッ」と来るのは、その季節だけ体が電気を作り出しているからではありません。電気の偏りそのものは一年じゅう起きています。冬に変わるのは、たまった電気の逃げ道のほうです。空気が乾くと、行き場を失った電気が体の側に残...
モノと道具の話

ステンレスはなぜ錆びないのか、削っても勝手に戻る膜の正体

ステンレスは、錆びない金属ではありません。表面をわざと酸化させ、そこにできた膜で内部を守っている金属です。その膜の厚さは、わずか数ナノメートル。1ミリの100万分の1を単位にした世界です。しかも、こすっても削っても、空気に触れればひとりでに...
暮らしの知恵

ぬか漬けに古釘を入れるのはなぜか、鉄分が摂れるという話は本当?

ぬか床を底からかき混ぜたとき、黒ずんだ釘が指に当たる——昔の台所ではめずらしくない光景でした。落としものではありません。ナスを紫色のまま漬け上げるために、わざと沈めてあるものです。釘から溶け出した鉄が、ナスの皮の色素と結びついて色を留めます...
暮らしの知恵

単純温泉は何が単純なのか、成分が薄いという意味ではない

「単純温泉」の「単純」は、成分の乏しい安っぽい湯という意味ではありません。温泉に溶けている物質の総量が、ある基準に届かないというだけの話です。中身が単純なのではなく、数字が控えめ。ここを取り違えると、隠れた名湯を「ただのお湯」と読み違えてし...