道路のあちこちにあるマンホールのふた。よく見ると、そのほとんどが丸い形をしています。
四角や三角でもよさそうなのに、なぜわざわざ丸いのでしょうか。そこには、ちゃんとした理由がいくつもあります。
なぜ丸いのか
まず、おもな理由を一覧で見ておきましょう。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 一番の理由は? | ふたが穴の中に落ちないから |
| 四角だとなぜ困る? | 対角線が辺より長く、斜めにすると落ちる |
| ほかの利点は? | 向きを気にせず置ける、転がして運べる |
| 丸以外はない? | 四角や三角もある(用途による) |
ひとつずつたしかめます。

一番の理由は「落ちない」こと
丸はどの向きでも直径が同じ
丸いふたが選ばれる最大の理由は、ふた自体が穴の中に落ちないからです。円はどの向きから測っても直径が同じなので、ふたが穴のふちを通り抜けてしまうことがありません。だから少しずらしたくらいでは、下に落ちる心配がないのです。

四角は斜めにすると落ちる
いっぽう、四角いふたには弱点があります。正方形は、対角線の長さが一辺よりも長くなります。そのため、ふたを斜めに傾けると穴より小さくなり、すとんと下に落ちてしまうのです。
重いふたを扱いやすい
ころがして運べる
丸い形には、作業のうえでの利点もあります。マンホールのふたは鉄製で、重いものでは40キロほどにもなるそうです。丸ければ、持ち上げなくてもころころと転がして運べるので、作業がぐっと楽になります。

向きを合わせなくていい
ふたをはめ直すときも、丸なら向きを気にせずそのままはめられます。四角いふたは、穴の角に合わせて向きをそろえなければなりません。ちょっとした差ですが、何度も開け閉めする現場では大きな手間のちがいになります。
円は力にも強い
圧力を均等に受け止める
形そのものの強さも、丸が選ばれる理由のひとつです。円は、外からかかる力を全体に均等に逃がしやすい形だといわれます。車が何台も上を通るマンホールにとって、力が一点に集中しにくい丸は、とても理にかなった形なのです。

四角や三角のマンホールもある
用途によっては形が変わる
もっとも、マンホールのふたが必ず丸いわけではありません。電気や通信の設備など、用途によっては四角いふたが使われることもあります。中身の機器が四角く、そのほうが出し入れしやすい場合などです。落ちにくさより使い勝手が優先される場面では、形も変わってくるわけです。

豆知識——日本のマンホールはご当地デザインの宝庫
丸いふたは、いまや立派なアートにもなっています。日本各地では、その土地の名所やキャラクターを描いた「ご当地マンホール」が次々と作られ、写真を撮って楽しむ人もいるほどです。集めて回るための「マンホールカード」が配られている自治体もあります。

いつも足もとで踏んでいる丸いふたには、落ちない・運びやすい・力に強いという、いくつもの工夫がつまっています。何気ない円い形ひとつにも、安全に使い続けるための知恵が込められているのです。

