雑学・教養

言葉と論理の話

「虫の知らせ」「腹の虫」——日本語に「虫」の言葉が多いのはなぜか

「虫の知らせ」で胸がざわつき、「腹の虫」が治まらずに腹を立て、「虫の居所が悪い」と不機嫌になる。日本語には、まるで体の中に小さな虫が棲んでいて、その虫が気分や体調を左右しているかのような言い回しがたくさんあります。なぜ日本語には「虫」を使っ...
言葉と論理の話

「お花摘み」「キジ撃ち」が山でトイレを指すのはなぜか——猟と花に見立てた登山の隠語

山を歩いていて仲間が「ちょっとお花摘みに」と言って草むらへ消えていく。優雅な響きですが、これは登山で「トイレに行ってくる」を指す隠語です。女性なら「お花摘み」、男性なら「キジ撃ち」。花や猟という、トイレとはおよそ縁のなさそうな言葉が、なぜ用...
言葉と論理の話

電車の「ダイヤ」はダイヤモンドではない——「ダイヤグラム」を縮めた言葉

「ダイヤが乱れております」——駅のアナウンスで毎日のように流れるこの「ダイヤ」は、宝石のダイヤモンドとも、トランプの◇とも関係がありません。正体は「ダイヤグラム」、つまり英語の diagram(図表)を縮めた言葉です。横長の一枚の紙に、その...
言葉と論理の話

「キセル乗車」はなぜキセルなのか——煙管の「両端だけ金属」になぞらえた言葉

電車の不正乗車を「キセル」と呼ぶのは、タバコを吸う道具の煙管(きせる)から来ています。煙管は両端が金属で、あいだの管は竹などでできています。その「両端だけ金属」という形が、乗り降りのときだけ運賃を払って途中の区間をごまかす手口とそっくりだっ...
言葉と論理の話

天気雨を「狐の嫁入り」と呼ぶのはなぜか——狐の化かしと、世界の「動物の結婚式」

「狐の嫁入り」という言葉には、まったく別の二つの顔があります。ひとつは、日が照っているのに雨が降る「天気雨」。もうひとつは、夜の山に無数の怪しい火がぽつぽつと連なって見える現象です。呼び名は同じでも、指しているものは昼と夜ほど違います。それ...
からだの話

若者にしか聞こえない「モスキート音」——年齢で聞こえる音が変わる

コンビニの前で、若い人だけが「うるさい」と顔をしかめ、大人は何ごともなかったように通り過ぎていく——そんな場面を生むのが「モスキート音」です。17キロヘルツ前後のとても高い音で、若い耳にははっきり届くのに、年を重ねた耳にはほとんど無音になり...
世界の文化雑学

欧米でくしゃみに「Bless you」と言うのはなぜか——魂と病をめぐる古い言い伝え

「はくしょん!」と誰かがくしゃみをすると、英語圏では周りの人がすかさず「Bless you(ブレス・ユー)」と声をかけます。見ず知らずの相手でも、電車で隣り合っただけの人にでも同じです。日本にはこの習慣がほとんどないので、はじめて言われると...
からだの話

くしゃみで必ず目を閉じてしまうのはなぜか——開けられない反射

くしゃみが出そうになった瞬間、まぶたは自分の意志と関係なくぎゅっと閉じます。「開けたまま出すぞ」と身構えても、たいていは間に合いません。これは行儀でも気合いでもなく、鼻から始まった反射が顔の筋肉まで一気に巻き込むからです。止めようとしても止...
言葉と論理の話

「伯父」と「叔父」はどう違う——年上か年下かで変わる漢字

同じ「おじ」でも、父の兄なら「伯父」、父の弟なら「叔父」と書きます。読み方はどちらも変わらないのに、相手が親より年上か年下かで漢字が入れ替わる——親戚の続柄を書くときにふと手が止まる、あの使い分けです。じつはこの一文字の違いには、きょうだい...