鍋やフライパンの焦げつきを落とそうとスポンジでこすっても、びくともしないことがあります。素材によって「正解の落とし方」が異なるため、方法を間違えると焦げが落ちないどころか鍋を傷める原因にもなるのです。
素材別・焦げの落とし方早見表
| 素材 | 使うもの | 基本の手順 |
|---|---|---|
| テフロン・フッ素加工 | 中性洗剤・スポンジ | ぬるま湯に浸けて柔らかくしてから優しく洗う |
| ステンレス | 重曹 | 水に重曹を入れて沸騰させ、冷めたらスポンジで落とす |
| ホーロー | クエン酸(または酢) | クエン酸水を入れて加熱し、浸け置き後に洗う |
| アルミ | クエン酸(または酢) | 酢水を沸騰させて浸け置き。重曹は変色するため不可 |
| 鉄(スキレット等) | お湯・たわし | 加熱してお湯でたわし洗い。洗剤は基本不要 |
そもそも焦げつきはなぜ起きるのか
焦げつきのおもな原因は、食材に含まれるたんぱく質や糖分が高温で炭化し、鍋の表面に固着することです。フライパンに残った油汚れも同じで、繰り返し加熱されると層状に積み重なり、焦げつきやすい下地を作ります。
テフロン加工などのコーティングは、この貼りつきを防ぐ役割をしています。コーティングが傷むと食材がくっつきやすくなるのはこのためです。素材そのものに耐久性があるステンレスやホーローは、落とし方さえ間違えなければ繰り返し使えます。
素材別の落とし方
テフロン・フッ素加工——研磨剤と金属タワシはNG
テフロン加工は傷に弱く、金属タワシや研磨剤入りのクレンザーは表面を削ってしまいます。焦げがひどい場合は、ぬるま湯に1〜2時間浸けてから柔らかいスポンジで落とすのが基本です。それでも残る場合は、食器用洗剤を少量入れた水で弱火にかけてしばらく煮ると、焦げが浮いて落ちやすくなります。
コーティングが剥がれてきたら、焦げつきが増える一方です。修復はできないため、新しいものへの買い替えを検討する目安になります。
ステンレス——重曹で沸騰させる
ステンレスは丈夫な素材で、重曹との相性がよく焦げ落としに適しています。鍋に水を張り、大さじ1〜2杯の重曹を加えて沸騰させるのがポイントです。そのまま30分ほど浸け置きすると、焦げが柔らかくなります。冷めてからスポンジで洗うと、こすらなくても落ちやすくなるのです。
ホーロー・アルミ——クエン酸が正解
ホーローとアルミは、重曹(アルカリ性)に弱い素材です。重曹を使うと変色や腐食の原因になります。代わりに使うのはクエン酸(酸性)か酢で、クエン酸水(水500mlに小さじ1)を鍋に入れて沸騰させ、冷めたら洗い流すと焦げが落ちやすくなります。
鍋の外側・底面は重曹ペーストで
鍋の外側や底面の焦げつきには、水に浸けられないため「重曹ペースト」が有効です。重曹3に対して水1の割合で混ぜてペースト状にし、焦げた部分に塗って30分ほど置きます。その後スポンジで丁寧に落としましょう。
クレンザーを使う場合も、グルグルとこすらず置いてから拭き取る方向でゆっくり動かすのがポイントです。力任せにこすると素材を傷めるため、時間をかけて浸透させる方法が基本です。
焦げをつきにくくする4つの習慣
日頃の使い方を少し変えるだけで、焦げつきは大幅に減らせます。
- 調理前に鍋をしっかり予熱してから油を入れる
- 火力は中火以下を基本にする(強火は焦げと傷みの原因)
- 空焚きをしない
- 使用後は早めに洗い、汚れを残さない
特にテフロン加工のフライパンは、余熱しすぎるとコーティングが劣化しやすくなります。油を引く前に予熱を確認し、煙が出る前に食材を入れるのが長持ちさせるコツです。
焦げついたとき、素材を確認せずに力まかせにこすると傷が増えてさらに焦げつきやすくなります。素材に合った方法で落とし、日常の使い方を少し意識するだけで、鍋やフライパンはずっと使いやすい状態をキープできるでしょう。


