生きものの話

生きものの話

竹は「木」か「草」か——タケノコの太さのまま、一生太らない

竹はイネ科の植物です。イネにムギ、ススキにトウモロコシ。同じ科や近い仲間を並べてみると、どれも木とは呼ばれないものばかりが顔をそろえます。それでも竹は硬く、高いものは20メートルを超え、建物や道具の材料として使われてきました。木なのか草なの...
生きものの話

イノシシと豚は何が違うのか——同じ種なのに、背骨の本数が違う

豚は、イノシシを家畜にした動物です。生物の分類でいうと、この二つは別々の種ではありません。どちらも Sus scrofa(スス・スクロファ)という一つの種の中に収まります。とはいえ、山で撮られた写真と養豚場の写真を並べれば、たいていの人は迷...
生きものの話

カッコウはなぜ他の鳥の巣に卵を産むのか——1羽のメスが1シーズンに十数個、すべて別の巣へ

カッコウは、自分では巣を作りません。卵は他の鳥の巣に産み込み、あとの世話はすべてその鳥に任せてしまいます。この習性が「托卵(たくらん)」で、しばしば「他の鳥に卵を預ける行為」と紹介されてきました。ただ、預けるという言葉から思い浮かぶ光景とは...
生きものの話

ロバ・馬・ポニーは何が違うのか——種が違うのはロバだけ、ポニーは「大きさ」の呼び名

ロバと馬は、別の種の動物です。いっぽうポニーは種でも品種でもなく、体高147センチ以下の馬をまとめて指す「大きさの呼び名」にすぎません。三つを横一列に並べると、とたんに分かりにくくなります。迷う原因ははっきりしていて、生きものとしての区分と...
生きものの話

シマウマは「白地に黒」か「黒地に白」か——皮膚は一色、縞は毛だけにある

シマウマの縞は、黒い地に白い縞が入ったものだと考えられています。決め手になるのは見た目の面積ではありません。皮膚の色と、縞ができあがる順番のほうです。とはいえ「白地に黒だろう」と答えたくなる理由も、ちゃんとあります。腹が真っ白な種がいるから...
言葉と論理の話

「蛙」はなぜ虫偏なのか——「虫」はもともとヘビの形だった

「蛙」「蛇」「虹」。どれも虫偏の漢字ですが、カエルは両生類でヘビは爬虫類、虹にいたっては生き物ですらありません。それでも虫偏が付いているのは、この「虫」がもともと昆虫を意味する字ではなかったからです。字が最初に描いていたのはマムシ。そこから...
言葉と論理の話

「猫舌」の由来——猫は本当に熱いものが苦手なのか

「猫舌」の「猫」は、たとえではありません。猫は本当に熱いものを口にできない動物です。自然界には、捕まえた獲物の体温より熱い食べ物が存在しないからだとされています。ところが人間のほうの猫舌は、事情がすこし違うようです。舌そのものの性能差ではな...
生きものの話

「ファーストペンギン」の由来——最初に飛び込む一羽は、本当に勇敢なのか

「ファーストペンギン」は、天敵が潜んでいるかもしれない海へ、群れの中で最初に飛び込む一羽のことです。そこから転じて、危険を引き受けて誰よりも先に動く人や企業を指す言葉として使われています。ただ、南極の氷の縁で実際に起きていることを追うと、絵...
生きものの話

カラスはなぜ賢いのか——道具を使い顔を覚える鳥

ゴミ置き場を荒らす黒い鳥、というだけの印象で片づけてしまうと、カラスの正体を見誤ります。枝を削って道具を作り、水位を計算して餌を取り、一度こわい目にあわせた人の顔を何年も忘れない。研究者たちが実験でたしかめてきたカラスの能力は、鳥という枠を...