生きものの話

竹は「木」か「草」か——タケノコの太さのまま、一生太らない

竹はイネ科の植物です。イネにムギ、ススキにトウモロコシ。同じ科や近い仲間を並べてみると、どれも木とは呼ばれないものばかりが顔をそろえます。それでも竹は硬く、高いものは20メートルを超え、建物や道具の材料として使われてきました。木なのか草なの...
からだの話

インフルエンザと風邪は何が違うのか——「風邪」のほうは病名ではない

「風邪」と「インフルエンザ」を並べて比べようとすると、入口で小さくつまずきます。インフルエンザは原因ウイルスの名前がそのまま病名になっているのに、風邪のほうは特定の病気を指す名前ではないからです。風邪は、鼻やのどに起きた急性の炎症をひとまと...
からだの話

冷や汗はなぜ出るのか——冷えているのは汗ではなく皮膚のほう

「冷や汗」と言いますが、出てきた汗そのものが冷たいわけではありません。汗は体の中でつくられて出てくるものなので、温度はおおむね体温なみ。出どころの汗腺も、夏の日に流れるあの汗と同じ種類です。冷たいのは、汗ではなく汗をかいた皮膚のほうでした。...
言葉と論理の話

ボクシングの階級名はなぜ鶏や羽根なのか——「バンタム」はジャワ島の港の名前

ボクシングの「バンタム級」のバンタム(bantam)は、小型の鶏を指す英語です。しかもその鶏の名前は、インドネシア・ジャワ島の港町から来ています。日本では井上尚弥選手の活躍でいちばん耳になじんだ階級名かもしれませんが、もとをたどると鶏小屋に...
言葉と論理の話

北海道の地名はなぜ読めないのか——「別」「内」「川」は、もとをたどると同じ一語

「音威子府(おといねっぷ)」「妹背牛(もせうし)」「歌志内(うたしない)」。北海道の地図には、漢字をいくら眺めても読み方の見当がつかない地名が並んでいます。読めない理由ははっきりしていて、これらの漢字が意味をまったく担っていないからです。北...
生きものの話

イノシシと豚は何が違うのか——同じ種なのに、背骨の本数が違う

豚は、イノシシを家畜にした動物です。生物の分類でいうと、この二つは別々の種ではありません。どちらも Sus scrofa(スス・スクロファ)という一つの種の中に収まります。とはいえ、山で撮られた写真と養豚場の写真を並べれば、たいていの人は迷...
からだの話

いびきはなぜ自分では聞こえないのか——耳は聞いている、脳が知らせないだけ

隣で寝ている人には一晩じゅう聞こえていた音が、出している本人にはひとつも届いていません。これほど聞き手と出し手で受け取り方の食い違う音も、そうはありません。MSDマニュアル家庭版も「いびきをかく人は、誰かに教えられない限り、自分で気づくこと...
生きものの話

カッコウはなぜ他の鳥の巣に卵を産むのか——1羽のメスが1シーズンに十数個、すべて別の巣へ

カッコウは、自分では巣を作りません。卵は他の鳥の巣に産み込み、あとの世話はすべてその鳥に任せてしまいます。この習性が「托卵(たくらん)」で、しばしば「他の鳥に卵を預ける行為」と紹介されてきました。ただ、預けるという言葉から思い浮かぶ光景とは...
言葉と論理の話

「寝耳に水」は耳に水が入る話ではない——寝ている耳に届いたのは洪水の音

「寝耳に水」の「水」は、耳の中に入った水ではありません。もとの形が指していたのは、眠っているところへ聞こえてきた大水の音でした。400年ほど前の書物に残る用例をたどると、この言い回しが生まれた場面がはっきり見えてきます。そのうえ「寝耳に擂り...