「自分の庭や自宅の上ならドローンを自由に飛ばせる」——そう思っている人も多いですが、実際には住宅地であっても航空法の規制が及ぶのです。
2022年6月に改正航空法が施行され、100グラム以上のドローンはすべて機体登録と飛行ルールの遵守が義務付けられています。
ドローン飛行の基本ルール
まず、ドローン飛行のルールを場所や条件で整理します。
| 飛行の条件 | 許可・承認の要否 |
|---|---|
| 人口集中地区(DID地区)の上空 | 原則として飛行禁止。許可が必要 |
| 高度150メートル以上 | 場所を問わず許可が必要 |
| 夜間・目視外飛行 | 特定飛行として許可・承認が必要 |
| 人や建物から30メートル以内 | 許可・承認が必要 |
| 空港周辺・重要施設周辺 | 飛行禁止区域。基本的に許可不可 |
表の「特定飛行」は国土交通省への許可・承認が必要な飛行で、無許可で行うと航空法違反として50万円以下の罰金が科せられることがあるのです。
「自宅の上」は飛ばせるか
人口集中地区(DID地区)とは
航空法では、「人口集中地区(DID地区)」の上空は原則として飛行禁止区域に指定されています。DID地区とは、国勢調査の基準に基づき人口密度が高いとされる地域のことで、住宅が密集する市街地の多くが該当するのです。
自宅が戸建て住宅地に位置する場合、DID地区に含まれていることが多く、許可なしに庭や自宅上空を飛ばすことは認められません。自宅がDID地区に含まれているかどうかは、国土地理院の地図やドローン情報基盤システム(DIPS)で確認できます。
屋外・住宅地での飛行に必要な確認
DID地区でなくても、高度150メートル以上の飛行・夜間飛行・目視外飛行・人や建物から30メートル以内への接近は、場所を問わず許可が必要なのです。許可・承認の申請は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」からオンラインで行えます。
飛行させる10営業日前までに申請が必要とされており、余裕を持った準備が求められます。申請には機体登録番号・飛行経路・安全対策などの記載が必要なのです。
許可・承認が必要な飛行のポイント
飛行禁止区域と特定飛行の分類
航空法で定める主な飛行禁止区域として、空港周辺の「進入表面等の上空」と「国の重要施設周辺300メートル」があります。これらの場所では、飛行の目的を問わず原則として許可が得られないこともあり、事前に確認が必要なのです。
「特定飛行」の中でも特にリスクが高い飛行(夜間・目視外・催事上空・危険物輸送など)は「カテゴリーIII」に分類され、国土交通省の個別審査が必要になります。機体の種類や飛行目的によって審査の厳しさが異なりますが、申請から承認まで1〜2か月かかる場合もあるのです。
申請の流れと確認ツール
ドローンの飛行申請は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」からオンラインで完結できます。申請に必要な情報は、機体登録番号・操縦者情報・飛行エリア・飛行日時・安全確保の方法などです。
趣味でのホビー飛行でも条件によっては申請が必要なため、「なんとなく飛ばしていた」では済まないのです。自分の飛行が許可不要かを事前に確認できる「DIPS2.0の飛行チェック機能」を使うことが、安全な運用への第一歩になります。
豆知識 — 2022年6月の法改正と機体登録制度
2022年6月施行の改正航空法では、100グラム以上のすべてのドローン・ラジコン機に機体登録が義務付けられました。登録することで機体にID番号が付与され、機体にそのIDをリモートID機器で発信しながら飛行させることも求められているのです。
リモートIDとは、飛行中のドローンの位置情報・機体情報をリアルタイムで周囲に発信する仕組みのことで、2022年以降に製造された機体には標準搭載が義務化されています。この制度は、無許可飛行の抑止と事故・事件発生時の追跡を目的として導入されたのです。
ドローンは「空の自由」を体感できる道具ですが、安全な空域を守るための法制度が整備されています。飛行前の一手間——登録・確認・申請——が、趣味を長く続けるための基本になります。
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