からだの話

からだの話

インフルエンザと風邪は何が違うのか——「風邪」のほうは病名ではない

「風邪」と「インフルエンザ」を並べて比べようとすると、入口で小さくつまずきます。インフルエンザは原因ウイルスの名前がそのまま病名になっているのに、風邪のほうは特定の病気を指す名前ではないからです。風邪は、鼻やのどに起きた急性の炎症をひとまと...
からだの話

冷や汗はなぜ出るのか——冷えているのは汗ではなく皮膚のほう

「冷や汗」と言いますが、出てきた汗そのものが冷たいわけではありません。汗は体の中でつくられて出てくるものなので、温度はおおむね体温なみ。出どころの汗腺も、夏の日に流れるあの汗と同じ種類です。冷たいのは、汗ではなく汗をかいた皮膚のほうでした。...
からだの話

いびきはなぜ自分では聞こえないのか——耳は聞いている、脳が知らせないだけ

隣で寝ている人には一晩じゅう聞こえていた音が、出している本人にはひとつも届いていません。これほど聞き手と出し手で受け取り方の食い違う音も、そうはありません。MSDマニュアル家庭版も「いびきをかく人は、誰かに教えられない限り、自分で気づくこと...
言葉と論理の話

「寝耳に水」は耳に水が入る話ではない——寝ている耳に届いたのは洪水の音

「寝耳に水」の「水」は、耳の中に入った水ではありません。もとの形が指していたのは、眠っているところへ聞こえてきた大水の音でした。400年ほど前の書物に残る用例をたどると、この言い回しが生まれた場面がはっきり見えてきます。そのうえ「寝耳に擂り...
からだの話

なぜ自分の体臭や部屋の匂いには気づかなくなるのか——鼻が知らせるのは「におい」ではなく「変化」

よその家に上がった瞬間、その家だけの匂いを感じることがあります。自分の家で同じことが起きるかというと、まず起きません。体臭も香水も同じで、他人のものには気づくのに自分のものはつかみにくい。鼻が鈍いわけでも、匂いが消えたわけでもありません。嗅...
からだの話

ほくろはなぜできるのか——シミとの違いは「色」か「細胞」か

ほくろは、日焼けの跡がそのまま濃く残ったシミの一種ではありません。色素をつくる細胞そのものが、皮膚の一か所に集まってできた小さなできものです。シミが「色がついた状態」だとすれば、ほくろは「細胞のかたまり」。この違いが、盛り上がるほくろや、毛...
からだの話

鼻をつまみ続けると鼻は高くなるのか——むしろ、年をとると低くなる

「鼻を洗濯バサミではさむと高くなる」「毎日つまんでいれば鼻筋が通る」。子どものころ、そんな話を聞いて試した人は少なくないはずです。けれど大人がいくら鼻をつまんでも、鼻が高くなることはありません。それどころか人の鼻は、年を重ねるほど低くなって...
からだの話

へそはなぜ残るのか——へその緒が取れたあと

おへそは、赤ちゃんのときにお母さんとつながっていた「へその緒」が取れたあとに残る、傷あとです。うっかり作った切り傷やすり傷はやがて消えるのに、へそだけは一生消えません。この一見ふしぎな跡が、なぜ体の真ん中に残り続けるのか。取れてから治るまで...
身近な心理と行動の話

あくびはなぜ人にうつるのか——「共感」との関係

目の前の人があくびをすると、つられて自分もあくびが出てしまう。この「伝染するあくび」は、見たときだけに起きるのではありません。あくびの音を聞いたときや文章を読んだとき、さらには「あくび」について考えただけでも誘発されることがあります。じつは...