言葉と論理の話

言葉と論理の話

走馬灯とは本来どんな道具か——熱で回る夏の玩具

走馬灯の「馬」は、ろうそく一本の熱で走っています。二重になった灯籠の内側に、馬に乗った武将の切り絵が貼ってあり、炎の熱でできた上昇気流が羽根車を回す。それだけの仕掛けで、外側の紙に映った影が延々と駆けていきます。一方で「走馬灯のように人生が...
言葉と論理の話

「指切りげんまん」の指切りとは何か、江戸の遊里で行われていたこと

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます」。子どもが約束をするときの唱えごとですが、並んでいる言葉はどれも穏やかではありません。指を切る。拳で一万回打つ。針を千本飲ませる。このうち先頭の「指切り」は言葉の綾ではなく、江戸時代の遊里(ゆうり...
文化と価値観の話

「最初はグー」はなぜ全国共通なのか、昔は掛け声が135種類もあった

「最初はグー」は、じゃんけんそのものよりずっと若い掛け声です。じゃんけんの原型は19世紀のうちにはできあがっていたとされますが、あの助走の一拍が全国の子どもに行き渡ったのは1980年代前後のこととされています。出どころとして名前が挙がるのは...
言葉と論理の話

舌打ちで「いいえ」を意味する国がある、日本と何が違うのか

舌を上あごに当てて鳴らす「チッ」という音は、世界の少なくない地域で「いいえ」という返事に使われています。日本では不快さのしるしとして受け取られるあの音が、地中海の向こう側では会話のふつうの部品として働いているのです。しかも話は「同じ動作でも...
言葉と論理の話

「タメ口」の「タメ」とは何か、もとは賭け事の言葉だった

「タメ口」の「タメ」は、もともとサイコロの目を指す言葉だったとされます。二つのサイコロを振って同じ数字が並ぶ、あのゾロ目のことです。賭場で使われていた符丁が、どうして「敬語を使わない話し方」の名前になったのでしょう。賭博の隠語から不良少年の...
社会と仕組みの話

「クビ」はどこから来た言い方か、江戸時代はなんと言っていたのか

勤め先をやめさせられることを「クビになる」と言います。打ち首の刑からきた言い方だと説明されることが多い言葉です。ところが辞書で古い用例をたどると、少し違う景色が見えてきます。江戸時代に奉公人をやめさせることは、ふつう「暇(ひま)を出す」と言...
言葉と論理の話

貧乏ゆすりはなぜ「貧乏」なのか——ジグリングという効用

会議中に前の席の人の膝が細かく揺れていると、つい目がいってしまいます。行儀が悪い、落ち着きがない——貧乏ゆすりに向けられる視線は、だいたい冷ややかです。ところがこの動き、整形外科の外来では「ジグリング」という別の名前で呼ばれ、患者さんに勧め...
言葉と論理の話

「セロテープ」と名乗れる会社は一社だけ、透明な部分は何でできている?

机の上に転がっている透明なテープ。その名を「セロテープ」と掲げられるのは、本当はニチバンの製品だけです。「セロテープ」はニチバンが持つ登録商標で、材質と品物そのものを指す一般名は「セロハンテープ」。そしてもう一つ、あの透明なフィルムはプラス...
生きものの話

ゴキブリという名前はどこから来たのか、明治の辞典に何があった?

江戸時代の百科事典を開いても、「ゴキブリ」という虫は載っていません。そこに書かれているのは「御器噛(ごきかぶり)」。いまの呼び名より、一文字だけ長い名前です。この「カ」は、どこへ消えたのか。手がかりは、明治17年に出た一冊の用語辞典に残って...