制度・インフラの歴史

社会と仕組みの話

道路の白いひし形は、信号のない横断歩道の予告——「50メートルと30メートル」は規定の書き方と違う

道路に白く描かれた大きなひし形は、「この先に横断歩道か自転車横断帯があります」という予告です。運転免許を持つ人なら一度は習っているはずの標示ですが、意味を答えられない人のほうが多いという調査結果が、いくつもの県で報告されました。広く語られて...
社会と仕組みの話

ホチキスはなぜ左上に留めるのか——書類の左端20ミリは、はじめから空けてある

横書きの書類はホチキスを左上に、縦書きの書類は右上に留めます。考える前に手がそう動く、という人も多いはずです。この位置は、誰かの好みで広まった作法ではありません。紙の側に「ここを留めてほしい」という空白があらかじめ確保されていて、ホチキスは...
社会と仕組みの話

和牛と国産牛は何が違うのか——品種で決まる名前と、育った場所で決まる名前

「和牛」と「国産牛」は、精肉コーナーで値段の違うもの同士として並んでいます。ところがこの二つは、比べ方そのものが噛み合っていません。和牛は牛の品種を指す言葉で、国産牛は牛が育った場所を指す言葉だからです。理屈のうえでは「和牛も国産牛の一種」...
社会と仕組みの話

「交番」はなぜ世界で「KOBAN」と呼ばれるのか——建物ではなく仕組みごと輸出された

ブラジル最大の都市サンパウロの街角には、「KOBAN」と書かれた小さな建物が立っています。ポルトガル語でも英語でもなく、日本語をそのままローマ字にした五文字です。日本の交番には「police box」というきちんとした英訳があります。それで...
社会と仕組みの話

信号機の「通りゃんせ」が減っているのは、曲では『方向』が伝わらないから

横断歩道で流れていた「通りゃんせ」や「故郷の空」。あの音が、いつの間にか「ピヨピヨ」や「カッコー」に置き換わっています。理由は音楽の好みが変わったからではありません。メロディーには、目の不自由な人がいちばん知りたい情報――「どちらへ渡ればい...
社会と仕組みの話

雪国の信号機はなぜ「縦型」なのか——雪が乗る「棚」を減らすかたち

雪の多い地域の信号機が縦に並んでいるのは、雪の乗る面積をできるだけ小さくするためです。横に長い信号機は、上面が三つ分ならんだ「棚」のようなもの。そこに雪が積もれば灯りは隠れ、重みは支柱まで届きます。ただし、話は「縦にすれば解決」で終わりませ...
社会と仕組みの話

切手のふちがギザギザなのはなぜか——「目打ち」のしくみ

切手のふちのギザギザは、デザインではありません。あれは「穴を開けた跡」です。もともと切手はシートで印刷されていて、1枚ずつちぎり取るために、あらかじめ小さな穴が並べて開けられています。その穴の列が目打(めうち)です。答えとしては、これでほぼ...
言葉と論理の話

電力の「ワット」は人の名前だった——「馬力」を考えた本人が、単位の名になるまで

電子レンジの「600W」、ドライヤーの「1200W」。この W は、スコットランドの技術者ジェームズ・ワット(1736〜1819年)の名字です。しかも、話には続きがあります。いま自動車のカタログに残っている「馬力」という単位を考え出したのも...
社会と仕組みの話

「®」「™」「©」は何が違うのか——似た記号が守る、別々のもの

商品のパッケージやロゴの右上に、小さな丸で囲まれた「®」。ホームページのいちばん下には「©」。どちらも数ミリの似たような記号ですが、守っているものはまるで違います。片方は「名前」を、もう片方は「作品」を指しているのです。さらに「™」まで混ざ...