制度・インフラの歴史

社会と仕組みの話

首都が3つある国と、首都を一つも決めていない国——世界の首都はどうやって決まるのか

オーストラリアの憲法には、首都をどこに置くかではなく、どこに置いてはいけないかが書かれています。ニューサウスウェールズ州の中であること。そしてシドニーから100マイル(約160キロ)以上離れていること。この条件を満たす牧草地の一角に、あとか...
社会と仕組みの話

カナダとアメリカの国境は、緯度49度から最大810メートルずれている——正しいのは、ずれたほうの線

北アメリカ大陸を横切るカナダとアメリカの国境は、約2,030キロにわたって北緯49度をなぞる一本の直線です。ところが地面に立っている標石をたどると、線は本当の北緯49度から南へ北へと小刻みに外れていきます。そのずれは最大で810メートル。1...
歴史と変遷の話

ライターはマッチより3年早く生まれた——ただし線の引き方しだいで、答えは三度入れ替わる

ライターの原型が世に出たのは1823年、こすって火がつくマッチが売られはじめたのは1827年です。順番でいえば、複雑なほうが先に生まれています。とはいえ、この「3年差」はそれほど固い数字ではありません。マッチをどこから数えるかを一段ずらすだ...
モノと道具の話

蛇口の水は、はじめライオンの口から出ていた——輸入の獅子が龍に替わり、名前だけ「蛇」で残った

日本で最初に水道の水が出てきた口は、蛇でも龍でもなくライオンでした。1887年(明治20年)に横浜で近代水道が始まったとき、道端に立てられた水栓の吐水口はイギリス製の獅子の頭だったのです。それが国産に切り替わると、獅子は龍に替わりました。そ...
歴史と変遷の話

電球を発明したのはエジソンではない——特許の要は明るさではなく「高い抵抗」、銅を減らすための工夫だった

電球を発明したのはトーマス・エジソンではありません。彼が炭素のフィラメントを光らせたのは1879年ですが、電気で線を白熱させて明かりを取り出す試みはその40年以上前から続いていました。白熱ランプとして世界で最初の特許が下りたのも、1841年...
社会と仕組みの話

道路の白いひし形は、信号のない横断歩道の予告——「50メートルと30メートル」は規定の書き方と違う

道路に白く描かれた大きなひし形は、「この先に横断歩道か自転車横断帯があります」という予告です。運転免許を持つ人なら一度は習っているはずの標示ですが、意味を答えられない人のほうが多いという調査結果が、いくつもの県で報告されました。広く語られて...
モノと道具の話

横断歩道の白線は、すきまも同じ45センチ——枠が消えた1992年、そのすきまが倍になった2024年

横断歩道の白線は、線の幅も、線と線のすきまも45センチで揃っています。塗ってある部分と塗っていない部分が同じ寸法なので、あの縞は等間隔に見えるわけです。自動車安全運転センターが2023年度に行った実験では、参加者の3割近くが「白線と間隔が同...
社会と仕組みの話

ホチキスはなぜ左上に留めるのか——書類の左端20ミリは、はじめから空けてある

横書きの書類はホチキスを左上に、縦書きの書類は右上に留めます。考える前に手がそう動く、という人も多いはずです。この位置は、誰かの好みで広まった作法ではありません。紙の側に「ここを留めてほしい」という空白があらかじめ確保されていて、ホチキスは...
社会と仕組みの話

和牛と国産牛は何が違うのか——品種で決まる名前と、育った場所で決まる名前

「和牛」と「国産牛」は、精肉コーナーで値段の違うもの同士として並んでいます。ところがこの二つは、比べ方そのものが噛み合っていません。和牛は牛の品種を指す言葉で、国産牛は牛が育った場所を指す言葉だからです。理屈のうえでは「和牛も国産牛の一種」...