制度・インフラの歴史

社会と仕組みの話

和牛と国産牛は何が違うのか——品種で決まる名前と、育った場所で決まる名前

「和牛」と「国産牛」は、精肉コーナーで値段の違うもの同士として並んでいます。ところがこの二つは、比べ方そのものが噛み合っていません。和牛は牛の品種を指す言葉で、国産牛は牛が育った場所を指す言葉だからです。理屈のうえでは「和牛も国産牛の一種」...
社会と仕組みの話

「交番」はなぜ世界で「KOBAN」と呼ばれるのか——建物ではなく仕組みごと輸出された

ブラジル最大の都市サンパウロの街角には、「KOBAN」と書かれた小さな建物が立っています。ポルトガル語でも英語でもなく、日本語をそのままローマ字にした五文字です。日本の交番には「police box」というきちんとした英訳があります。それで...
社会と仕組みの話

信号機の「通りゃんせ」が減っているのは、曲では『方向』が伝わらないから

横断歩道で流れていた「通りゃんせ」や「故郷の空」。あの音が、いつの間にか「ピヨピヨ」や「カッコー」に置き換わっています。理由は音楽の好みが変わったからではありません。メロディーには、目の不自由な人がいちばん知りたい情報――「どちらへ渡ればい...
社会と仕組みの話

雪国の信号機はなぜ「縦型」なのか——雪が乗る「棚」を減らすかたち

雪の多い地域の信号機が縦に並んでいるのは、雪の乗る面積をできるだけ小さくするためです。横に長い信号機は、上面が三つ分ならんだ「棚」のようなもの。そこに雪が積もれば灯りは隠れ、重みは支柱まで届きます。ただし、話は「縦にすれば解決」で終わりませ...
社会と仕組みの話

切手のふちがギザギザなのはなぜか——「目打ち」のしくみ

切手のふちのギザギザは、デザインではありません。あれは「穴を開けた跡」です。もともと切手はシートで印刷されていて、1枚ずつちぎり取るために、あらかじめ小さな穴が並べて開けられています。その穴の列が目打(めうち)です。答えとしては、これでほぼ...
言葉と論理の話

電力の「ワット」は人の名前だった——「馬力」を考えた本人が、単位の名になるまで

電子レンジの「600W」、ドライヤーの「1200W」。この W は、スコットランドの技術者ジェームズ・ワット(1736〜1819年)の名字です。しかも、話には続きがあります。いま自動車のカタログに残っている「馬力」という単位を考え出したのも...
社会と仕組みの話

「®」「™」「©」は何が違うのか——似た記号が守る、別々のもの

商品のパッケージやロゴの右上に、小さな丸で囲まれた「®」。ホームページのいちばん下には「©」。どちらも数ミリの似たような記号ですが、守っているものはまるで違います。片方は「名前」を、もう片方は「作品」を指しているのです。さらに「™」まで混ざ...
モノと道具の話

A4・B5用紙はなぜあの寸法なのか——半分にしても同じ形になる「白銀比」のからくり

A4のコピー用紙を半分に折ると、A5になります。ふしぎなことに、折る前と折ったあとで「紙の形」――縦と横の比率は、まったく変わりません。これは偶然ではなく、そう決めて作られています。ふだん何気なく使うA4やB5の寸法には、200年以上前の数...
歴史と変遷の話

「士農工商」は実はなかった——教科書から消えた身分制度の話

「江戸時代には士農工商という身分制度があり、武士を頂点に農民・職人・商人と続いた」——そう習った記憶のある方は多いはずです。ところが今の教科書には、この「士農工商」という言葉がもう載っていません。じつは近年の研究で、士農工商は身分の序列を表...