世界の文化比較

歴史と変遷の話

サーカスの発祥は古代ローマではない、テントが丸いのはなぜ?

サーカスの丸いテントは、古代ローマの円形の競技場から受け継いだものではありません。受け継いだのは名前だけです。ラテン語のキルクス(circus)は「輪」を意味し、その語がイギリスで生まれた新しい見世物に貼りつきました。テントが丸いのは、中の...
モノと道具の話

ヨーヨーの発祥はどこの国か、武器だった説は玩具会社が広めた

ヨーヨーの発祥を一つの国に決めることは、今のところできません。いちばん古い証拠が残っているのは古代ギリシャで、紀元前440年ごろの壺に、ヨーヨーで遊ぶ少年が描かれています。ただし今わたしたちが手にする「糸の先で空回りし、しゃくると戻ってくる...
モノと道具の話

貯金箱の豚は600年前のジャワ島にもいた、なぜ豚ばかりなのか

豚の貯金箱の由来として、イギリスの陶工が「pygg(ピッグ)という粘土で壺を作ってくれ」という注文を「pig(豚)」と聞き違えた、という話がよく紹介されます。話としてはよくできているのですが、言葉の歴史をたどる人たちはこの筋書きを支持してい...
歴史と変遷の話

けん玉はどこで生まれたのか、皿が三つあるのは日本だけ?

けん玉の発祥地は、一か所には決まっていません。玉を糸でつないで受け止める遊びは世界のあちこちにあり、はっきり残っている最も古い記録は16世紀フランスの「ビルボケ」です。ただし、いま私たちが手に取るあの形——先のとがったけん先と、大中小の三つ...
モノと道具の話

ネクタイの語源「クラバット」とは何か——クロアチア兵の呼び名

ネクタイの祖先にあたる布は「クラバット」と呼ばれます。この言葉、もともとは布の名前ではありませんでした。フランス語の辞典をたどると、cravate はまず「クロアチアの」「クロアチア騎兵」という意味で1630年ごろに現れます。首に巻く布を指...
歴史と変遷の話

将棋で取った駒を使えるのはなぜか——世界で日本だけ

将棋とチェスは、同じゲームから枝分かれした親戚どうしです。ところが盤の上で起きることは、途中から大きく食い違います。チェスは駒を取るたびに盤上の駒が減っていきます。将棋は四十枚のまま最後まで減りません。取られた駒が持ち駒として手元に移り、い...
言葉と論理の話

「スペード」は剣、「クラブ」は棍棒——トランプは名前と絵柄が別の国から来ている

トランプの「スペード」という名前は、イタリア語やスペイン語で「剣」を意味する言葉から来ています。「クラブ」のほうは「棍棒」です。ところが手元のカードに描かれているのは、剣でも棍棒でもありません。黒く尖った葉のような形と、三つ葉のクローバーで...
歴史と変遷の話

家紋は誰でも自由に名乗れるのか、うちの紋だと証明する書類はない

家紋には、登録簿がありません。「この紋はこの家のものだ」と役所が決めた記録は、昔もいまも存在しないのです。これは推測ではありません。特許庁が商標の審査基準をまとめた文書には、家紋について「公的機関等の特定の者により登録・管理等されているもの...
歴史と変遷の話

誕生日を毎年祝う習慣はいつからか、日本では長く天皇だけだった

日本で毎年の誕生日を祝ってもらえる人は、長いあいだ一人しかいませんでした。天皇です。ほかの人が年をとるのは元日で、しかも全員いっしょでした。ケーキを出す。ろうそくを立てる。吹き消して願い事をする。歌をうたう。この一式が普通の家庭に届いたのは...