キャラメルの起源と歴史 — 中東で生まれた砂糖菓子が、ヘリコプターで日本中に広まるまで

雑学・教養
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しっとりとした甘さと、ほのかな苦味のバランスが魅力の「キャラメル」。ひと粒で満足感があり、子どものおやつにも大人のティータイムにもぴったりな存在です。ソースとしてケーキやアイスに使われることも多く、世界中で親しまれています。そんなキャラメルですが、そのルーツをたどると中東の砂糖加工技術にまでさかのぼり、日本での広がり方にも意外なエピソードがあります。誕生の背景から現代での活躍までをたどってみましょう。

キャラメルが歩んできた道のり

中東で生まれた砂糖菓子が、どのように世界へ広がっていったのか。主な流れを年表にまとめました。

時代できごとポイント
900年頃の中東クレタ島の製糖所でキャラメルの原型が誕生十字軍を通じてヨーロッパへ伝わった
16世紀のフランス砂糖菓子として広まる貴族や教会で重宝される甘味だった
近代のフランスアンリ・ルルーが塩バターキャラメルを考案ブルターニュの塩と豊富な乳製品を組み合わせた
明治時代の日本国産キャラメルが発売される西洋菓子として紹介された
1953年以降の日本砂糖の統制解除で一気に普及森永製菓などがヘリコプターで宣伝するほどの人気に

ここからは、それぞれの時代に何があったのかを詳しく見ていきます。

誕生は900年頃、中東の製糖所から

「caramel」はポルトガル語が語源

「キャラメル(caramel)」という言葉は、ポルトガル語の「caramelo」に由来するとされています。砂糖を加熱して作る菓子という発想自体は、中東で生まれたという説が有力です。西暦900年頃、クレタ島の製糖所でこうした菓子が作られるようになり、これがキャラメルの原型のひとつとされています。

十字軍を通じてヨーロッパへ伝わった

中東で生まれた砂糖加工の技術は、十字軍の遠征をきっかけにヨーロッパへ伝わっていきました。当時の砂糖は非常に高価なもので、薬や贅沢品として扱われることも多かったといわれています。甘く煮詰めた菓子という発想は、こうした交流の中でヨーロッパに根づいていきました。

フランスで生まれた「塩キャラメル」

16世紀、フランスに伝わり砂糖菓子として発展

16世紀になると、キャラメルの製法はフランスにも伝わっていきます。当時のフランスでは、砂糖を使った菓子は貴族や教会など限られた層のものでした。やがて砂糖の生産量が増えるにつれ、キャラメルは少しずつ庶民にも知られる存在になっていきます。

アンリ・ルルーが考案した「塩バターキャラメル」

近年人気の「塩キャラメル(キャラメル・サレ)」は、フランスのパティシエ、アンリ・ルルーが考案したお菓子です。ブルターニュ地方の塩とバターを組み合わせ、甘さに塩気の深みを加えたこのキャラメルは、豊富な乳製品が手に入るブルターニュの土地柄を生かした一品でした。今では世界中のパティスリーで定番の味として親しまれています。

日本での普及は、ヘリコプター宣伝とともに

明治時代に国産キャラメルが登場

日本にキャラメルが伝わったのは明治時代のことで、当初は西洋菓子のひとつとして紹介されました。当時のキャラメルは、まだ一般家庭に広く行き渡るものではなく、目新しい舶来の甘味という位置づけだったようです。

1953年、砂糖統制の解除で一気に普及

1953年に砂糖の統制が解除されると、菓子メーカーが一斉にキャラメルを商品化しました。森永製菓をはじめとするメーカーは、ヘリコプターを使った広告宣伝まで展開し、大きな話題を呼んだといわれています。学校給食や遠足のお供としても定着し、「おやつ=キャラメル」と言えるほどの人気を博しました。

知っておくと面白い豆知識

「焦がし」具合と温度が味と食感を左右する

キャラメルは、糖を加熱したときに起こる「カラメル化反応」を利用して作られます。糖が約170〜180度で褐色になり、香ばしさと苦味が生まれるのです。この反応をどこまで進めるかによって、なめらかなソフトタイプになるか、しっかり固いハードタイプになるかが決まります。

実は保存食だった?昔は携帯食にも使われた

キャラメルは水分が少なく糖分が多いため、保存性の高い食品でもあります。そのため、戦時中にはエネルギー補給用の携帯食として配られることもあったようです。小さな一粒に栄養とカロリーが凝縮されている点は、現代のエナジー系お菓子にも通じる発想といえます。

キャラメルマキアートはスターバックス発

1996年、アメリカのスターバックスが「キャラメルマキアート」を発売しました。エスプレッソとミルクに、バニラシロップとキャラメルソースを合わせたこのドリンクは、瞬く間に人気メニューとなりました。現在でも世界中の店舗で定番として提供されています。

「キャラメルコーン」は実はキャラメル味ではない

日本の人気スナック「キャラメルコーン」は、砂糖とピーナッツ風味の甘いパフスナックで、成分的にはキャラメルとは少し異なります。名前に「キャラメル」とあるのは、見た目や甘さのイメージからきているようです。

中東の製糖所から始まったキャラメルは、十字軍やフランスの菓子文化を経て、日本ではヘリコプターまで使った宣伝とともに広まりました。地味な一粒に、世界をめぐる長い歴史が詰まっています。

次にキャラメルを口にするときは、その甘さの奥にある旅路にも、少し思いを向けてみると面白いかもしれません。

 

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