無許可で「占い」や「カウンセリング」はできる?—グレーゾーンの判断

一般教養の話
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「占い師になりたいけれど、許可はいるの?」——そんな疑問を持つ人は少なくありません。カウンセリングも「無免許で大丈夫なのか」という点は同様に気になるところです。

占いは原則として許可不要で始められます。カウンセリングは「何を、どこまでやるか」によって法的な境界線が生まれるため、内容の確認が不可欠です。

業種別・許可の要否まとめ

主なグレーゾーン業種の要否を整理すると、次のようになります。

業種許可・資格の要否注意点
タロット・手相・星占い不要詐欺的勧誘は刑事罰の対象
心理カウンセリング不要(名称は注意)「公認心理師」の名称は資格者のみ
催眠療法(ヒプノセラピー)グレーゾーン医療効果を謳うと医師法に触れる可能性
整体・マッサージ類似要(あん摩マッサージ指圧師等)「医業類似行為取締法」で規制
栄養指導(「治療」として)医療行為なら医師・管理栄養士が必要「食事アドバイス」程度は問題なし

「許可不要」でも詐欺や誇大広告は別問題です。「このお守りを買えば病気が治る」のような断言は、消費者契約法や詐欺罪の対象になります。

占いが無許可でできる理由

「占い」を規制する業法が存在しない

タロット・手相・西洋占星術・四柱推命・霊視といった占いの行為を直接規制する業法は、日本には存在しません。医師法が「医療行為」を資格者に限定し、あん摩マッサージ指圧師法が施術を規制しているのと対照的に、「占い」に相当する業種は法的な定義からも外れているのです。

このため、占いは個人が自由に始められます。開業届は税務署への届出として推奨されますが、「占いをしてよい」という許可証は不要です。ストリートの路上占いも、特定の地域条例に抵触しない限り問題はありません。

違法になるケース

占い自体は合法でも、その場で行われる行為が違法になることがあります。典型例が「霊感商法」です。「あなたは先祖の霊に祟られている。このお祓い(高額商品・サービス)で解決できる」という勧誘は、不実の告知にあたる可能性があり、特定商取引法・消費者契約法・詐欺罪のいずれかに該当します。2022年の特定商取引法改正では、霊感商法への規制が強化されたのです。

カウンセリングが注意を要する理由

「公認心理師」は名称独占、業務独占ではない

2017年に施行された公認心理師法により、「公認心理師」は日本初の心理職の国家資格になりました。ただし、この資格は「名称独占」です。つまり「公認心理師」という名称は資格保有者しか使えませんが、「カウンセラー」「メンタルサポーター」「心理アドバイザー」などの名称でカウンセリング的なサービスを提供すること自体は、資格がなくても可能です。

「医療行為」の範囲に踏み込むと違法になる

行為の内容が「医療行為」や「医業類似行為(いぎょうるいじこうい)」に踏み込む場合に、法的な問題が生じます。精神疾患の診断・投薬・精神科的治療を医師以外が行うことは、医師法17条で明確に禁じられているのです。「うつ病を治す」「統合失調症に効く」といった断言を使うと、医師法違反になりえます。

「話を聞いて整理する」「ストレスへの対処法を提案する」程度のカウンセリングが「医行為」に当たるかという問いへの答えは、「否」というのが一般的な解釈です。しかし「診断する」「症状を治療する」という表現を使うと、資格がない限りグレーから違法に近づきます。

豆知識 — 「医業類似行為取締法」と催眠術師の問題

「あはき法(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律)」は1947年に制定され、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師以外の施術業を原則として規制しています。この文脈で語られるのが「医業類似行為取締法」の系譜です。

催眠療法(ヒプノセラピー)は、この規制のグレーゾーンに位置しています。「リラクゼーション」として提供する分には問題にならないケースが多いものの、「パニック障害を治す」「PTSDに効果がある」と医療的な治療効果を主張すると、医師法や景品表示法に触れる可能性があります。

「何ができるか」と「何を謳えるか」は別の話です。占い・カウンセリング・催眠療法はいずれも、提供できる行為の幅は広いものです。「医療効果の断言」「診断行為の模倣」「高額商品の霊感的勧誘」の3点を避けることが、合法経営の基本線になります。境界線を知っておくことが、開業前の最初のステップです。

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