からだの話

言葉と論理の話

「寝耳に水」は耳に水が入る話ではない——寝ている耳に届いたのは洪水の音

「寝耳に水」の「水」は、耳の中に入った水ではありません。もとの形が指していたのは、眠っているところへ聞こえてきた大水の音でした。400年ほど前の書物に残る用例をたどると、この言い回しが生まれた場面がはっきり見えてきます。そのうえ「寝耳に擂り...
からだの話

なぜ自分の体臭や部屋の匂いには気づかなくなるのか——鼻が知らせるのは「におい」ではなく「変化」

よその家に上がった瞬間、その家だけの匂いを感じることがあります。自分の家で同じことが起きるかというと、まず起きません。体臭も香水も同じで、他人のものには気づくのに自分のものはつかみにくい。鼻が鈍いわけでも、匂いが消えたわけでもありません。嗅...
からだの話

ほくろはなぜできるのか——シミとの違いは「色」か「細胞」か

ほくろは、日焼けの跡がそのまま濃く残ったシミの一種ではありません。色素をつくる細胞そのものが、皮膚の一か所に集まってできた小さなできものです。シミが「色がついた状態」だとすれば、ほくろは「細胞のかたまり」。この違いが、盛り上がるほくろや、毛...
からだの話

鼻をつまみ続けると鼻は高くなるのか——むしろ、年をとると低くなる

「鼻を洗濯バサミではさむと高くなる」「毎日つまんでいれば鼻筋が通る」。子どものころ、そんな話を聞いて試した人は少なくないはずです。けれど大人がいくら鼻をつまんでも、鼻が高くなることはありません。それどころか人の鼻は、年を重ねるほど低くなって...
からだの話

へそはなぜ残るのか——へその緒が取れたあと

おへそは、赤ちゃんのときにお母さんとつながっていた「へその緒」が取れたあとに残る、傷あとです。うっかり作った切り傷やすり傷はやがて消えるのに、へそだけは一生消えません。この一見ふしぎな跡が、なぜ体の真ん中に残り続けるのか。取れてから治るまで...
身近な心理と行動の話

あくびはなぜ人にうつるのか——「共感」との関係

目の前の人があくびをすると、つられて自分もあくびが出てしまう。この「伝染するあくび」は、見たときだけに起きるのではありません。あくびの音を聞いたときや文章を読んだとき、さらには「あくび」について考えただけでも誘発されることがあります。じつは...
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ランゲルハンス島はなぜ「島」と呼ばれるのか——膵臓に浮かぶ細胞の島

健康診断や糖尿病の説明で「ランゲルハンス島」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。海にも地図にも出てこないのに、なぜか「島」と呼ばれる体の一部です。答えを先に言うと——顕微鏡で膵臓(すいぞう)をのぞいたとき、まわりと違う細胞のかたま...
からだの話

血が鉄の味・匂いがするのはなぜか——舌も鼻も「鉄そのもの」は感じていない

指を軽く切って血をなめると、つんとした「鉄の味」がします。鼻を近づければ、どこか金属くさい匂いも立ちます。ところが、その味も匂いも、じつは舌や鼻が「鉄そのもの」をとらえたものではありません。血の中に鉄があるのは本当なのに、私たちが感じている...
からだの話

髪の毛だけがどんどん伸びるのはなぜか——毛の「伸びる期間」

髪の毛は、切らずに放っておけば腰の高さまで伸びていきます。ところが眉毛やまつげは、一度も切らないのに、いつも同じくらいの長さで止まっています。同じ「毛」なのに、なぜこれほど差が出るのでしょうか。答えは「伸びる力」の差ではありません。毛が伸び...