言葉と論理の話

言葉と論理の話

「親の七光り」の「七」は七つではない——光の正体と言葉の由来

「親の七光り」の七つの光を並べた一覧は、どの辞書にも載っていません。七つの何かが実在しないからです。この言葉の「七」は、数えるための七ではありません。では何を指しているのか。もとの形をたどっていくと、光の持ち主が親とは限らなかったことまで見...
言葉と論理の話

「あいうえお」の並びはどうやって決まったのか——お経を正しく読むために作られた表

「あいうえお、かきくけこ」という並びは、日本語の都合で決まったものではありません。もとをたどれば、インドの文字を並べた表の順番です。表を作ったのも、子どもに文字を教えたい人ではありませんでした。お経を正しく読みたい平安時代の僧侶たちです。私...
言葉と論理の話

「猫舌」の由来——猫は本当に熱いものが苦手なのか

「猫舌」の「猫」は、たとえではありません。猫は本当に熱いものを口にできない動物です。自然界には、捕まえた獲物の体温より熱い食べ物が存在しないからだとされています。ところが人間のほうの猫舌は、事情がすこし違うようです。舌そのものの性能差ではな...
言葉と論理の話

「ファーストペンギン」の由来——最初に飛び込む一羽は、本当に勇敢なのか

「ファーストペンギン」は、天敵が潜んでいるかもしれない海へ、群れの中で最初に飛び込む一羽のことです。そこから転じて、危険を引き受けて誰よりも先に動く人や企業を指す言葉として使われています。ただ、南極の氷の縁で実際に起きていることを追うと、絵...
社会と仕組みの話

「交番」はなぜ世界で「KOBAN」と呼ばれるのか——建物ではなく仕組みごと輸出された

ブラジル最大の都市サンパウロの街角には、「KOBAN」と書かれた小さな建物が立っています。ポルトガル語でも英語でもなく、日本語をそのままローマ字にした五文字です。日本の交番には「police box」というきちんとした英訳があります。それで...
言葉と論理の話

稲妻・稲光・雷は何が違うのか——光の名前・音の名前・全体の名前

空がぱっと光り、少し遅れて音が鳴る。ひとつながりに見えるあの出来事を、日本語は「稲妻」「稲光」「雷」と呼び分けてきました。光の部分を指すのが稲妻と稲光。光と音をまとめた現象そのものが雷です。では、空の放電になぜ「稲」の字が入っているのでしょ...
言葉と論理の話

テニスの点数はなぜ「15・30・40」と数えるのか

0点を「ラブ」と呼び、1点取れば15。次の2点目で30、そして3点目だけが40です。テニスのスコアは数の増え方も呼び名も、ほかの球技とまるで違っています。1点ずつ数えれば済むところを、なぜこんな飛び飛びの数列にしたのでしょうか。しかも15・...
言葉と論理の話

「肴(さかな)」の語源に魚は出てこない——「酒(さか)+菜(な)」が先にあった

「肴(さかな)」という字に、魚偏は入っていません。部首は「肉」です。酒の席に出るものを「さかな」と呼ぶのは、魚が多いからだと思われがちです。ところが、順番は逆でした。先にあったのは「酒(さか)」と「菜(な)」を足した言葉のほうで、そこには野...
言葉と論理の話

星の名前の語源——スバルは日本語、シリウスはギリシャ語、ベテルギウスはアラビア語

冬の夜に赤くともるベテルギウス、青白く輝くシリウス、小さく寄り集まったスバル。どれも一度は耳にした星の名前ですが、その出どころをたどると、生まれた土地も言葉もまるでばらばらです。スバルは日本語、シリウスはギリシャ語、ベテルギウスはアラビア語...