モノと道具の話

文化と価値観の話

シャツのボタンが男女で逆なのはなぜか——理由は残らず、型紙だけが残った

男性用のシャツはボタンが右側に、女性用のシャツは左側についています。着る人から見た向きの話で、日本だけの決まりではありません。世界中の既製服が、判で押したように同じ向きへ分かれています。ところが「なぜそう分かれたのか」を示す記録は、いまだに...
モノと道具の話

ステンレスはなぜ錆びないのか——厚さ数ナノの膜が、削っても勝手に戻る

ステンレスは、錆びない金属ではありません。表面をわざと酸化させ、そこにできた膜で内部を守っている金属です。その膜の厚さは、わずか数ナノメートル。1ミリの100万分の1を単位にした世界です。しかも、こすっても削っても、空気に触れればひとりでに...
モノと道具の話

ガラスは「固体」か「液体」か——古い窓の下が厚いのは流れたからではない

ガラスは固体です。「じつは液体で、何百年もかけてゆっくり流れ落ちている」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、常温のガラスは流れません。古い教会の窓が下のほうで厚くなっているのも、垂れた結果ではありませんでした。とはいえ、この俗説がこ...
モノと道具の話

ボタン電池「CR2032」の数字は何を表すのか——左から読むとサイズと中身がわかる

テレビのリモコンや体温計、車のスマートキーを開けると出てくる、コイン形の小さな電池。その表面に刻まれた「CR2032」という文字列は、メーカーが適当に振った製品番号ではありません。左から順に読んでいくと、電池の中身・形・大きさが、そのまま書...
社会と仕組みの話

雪国の信号機はなぜ「縦型」なのか——雪が乗る「棚」を減らすかたち

雪の多い地域の信号機が縦に並んでいるのは、雪の乗る面積をできるだけ小さくするためです。横に長い信号機は、上面が三つ分ならんだ「棚」のようなもの。そこに雪が積もれば灯りは隠れ、重みは支柱まで届きます。ただし、話は「縦にすれば解決」で終わりませ...
社会と仕組みの話

切手のふちがギザギザなのはなぜか——「目打ち」のしくみ

切手のふちのギザギザは、デザインではありません。あれは「穴を開けた跡」です。もともと切手はシートで印刷されていて、1枚ずつちぎり取るために、あらかじめ小さな穴が並べて開けられています。その穴の列が目打(めうち)です。答えとしては、これでほぼ...
社会と仕組みの話

「ウォシュレット」も「宅急便」も、特定の会社だけの言葉——身近な登録商標のはなし

「ウォシュレット」も「宅急便」も、私たちがふだん何気なく口にしている言葉です。ところが、このどちらも特定の一社だけが使える「登録商標」だと知ると、少し驚くのではないでしょうか。温水洗浄便座も宅配便も、ほかの会社の製品をその名前で呼んで売るこ...
モノと道具の話

A4・B5用紙はなぜあの寸法なのか——半分にしても同じ形になる「白銀比」のからくり

A4のコピー用紙を半分に折ると、A5になります。ふしぎなことに、折る前と折ったあとで「紙の形」――縦と横の比率は、まったく変わりません。これは偶然ではなく、そう決めて作られています。ふだん何気なく使うA4やB5の寸法には、200年以上前の数...
モノと道具の話

鉛筆はなぜ六角形なのか——色鉛筆が丸い理由と、芯の意外な正体

手元の鉛筆をながめてみると、その多くは六角形をしています。ところが、同じ筆記具でも色鉛筆はたいてい丸い軸です。毎日使っているのに、なぜ形が違うのかと聞かれると、案外すぐには答えられません。この六角形には、書く道具ならではのしっかりした理由が...