雑学・教養

言葉と論理の話

北海道の地名はなぜ読めないのか——「別」「内」「川」は、もとをたどると同じ一語

「音威子府(おといねっぷ)」「妹背牛(もせうし)」「歌志内(うたしない)」。北海道の地図には、漢字をいくら眺めても読み方の見当がつかない地名が並んでいます。読めない理由ははっきりしていて、これらの漢字が意味をまったく担っていないからです。北...
生きものの話

イノシシと豚は何が違うのか——同じ種なのに、背骨の本数が違う

豚は、イノシシを家畜にした動物です。生物の分類でいうと、この二つは別々の種ではありません。どちらも Sus scrofa(スス・スクロファ)という一つの種の中に収まります。とはいえ、山で撮られた写真と養豚場の写真を並べれば、たいていの人は迷...
からだの話

いびきはなぜ自分では聞こえないのか——耳は聞いている、脳が知らせないだけ

隣で寝ている人には一晩じゅう聞こえていた音が、出している本人にはひとつも届いていません。これほど聞き手と出し手で受け取り方の食い違う音も、そうはありません。MSDマニュアル家庭版も「いびきをかく人は、誰かに教えられない限り、自分で気づくこと...
生きものの話

カッコウはなぜ他の鳥の巣に卵を産むのか——1羽のメスが1シーズンに十数個、すべて別の巣へ

カッコウは、自分では巣を作りません。卵は他の鳥の巣に産み込み、あとの世話はすべてその鳥に任せてしまいます。この習性が「托卵(たくらん)」で、しばしば「他の鳥に卵を預ける行為」と紹介されてきました。ただ、預けるという言葉から思い浮かぶ光景とは...
言葉と論理の話

「寝耳に水」は耳に水が入る話ではない——寝ている耳に届いたのは洪水の音

「寝耳に水」の「水」は、耳の中に入った水ではありません。もとの形が指していたのは、眠っているところへ聞こえてきた大水の音でした。400年ほど前の書物に残る用例をたどると、この言い回しが生まれた場面がはっきり見えてきます。そのうえ「寝耳に擂り...
からだの話

なぜ自分の体臭や部屋の匂いには気づかなくなるのか——鼻が知らせるのは「におい」ではなく「変化」

よその家に上がった瞬間、その家だけの匂いを感じることがあります。自分の家で同じことが起きるかというと、まず起きません。体臭も香水も同じで、他人のものには気づくのに自分のものはつかみにくい。鼻が鈍いわけでも、匂いが消えたわけでもありません。嗅...
言葉と論理の話

「本命」「対抗」「大穴」——選挙報道の言葉は競馬新聞から広まった

「本命」「対抗」「大穴」「ダークホース」。選挙の開票速報で当たり前のように流れるこれらの言葉は、たどっていくとほとんどが競馬場と競馬新聞にたどり着きます。政治の言葉でもスポーツの言葉でもなく、馬券を買う人たちの言葉が、いつのまにかニュースの...
言葉と論理の話

ロバ・馬・ポニーは何が違うのか——種が違うのはロバだけ、ポニーは「大きさ」の呼び名

ロバと馬は、別の種の動物です。いっぽうポニーは種でも品種でもなく、体高147センチ以下の馬をまとめて指す「大きさの呼び名」にすぎません。三つを横一列に並べると、とたんに分かりにくくなります。迷う原因ははっきりしていて、生きものとしての区分と...
生きものの話

シマウマは「白地に黒」か「黒地に白」か——皮膚は一色、縞は毛だけにある

シマウマの縞は、黒い地に白い縞が入ったものだと考えられています。決め手になるのは見た目の面積ではありません。皮膚の色と、縞ができあがる順番のほうです。とはいえ「白地に黒だろう」と答えたくなる理由も、ちゃんとあります。腹が真っ白な種がいるから...