教育と学びの話

校庭の二宮金次郎は、たいてい誰かからの贈り物だった——像が増えたわけと減ったわけは、同じところにある

校庭に立つ二宮金次郎の像は、学校が予算を組んで買ったものではありません。その多くは、村の資産家や地元の団体から贈られてきたものです。像がどっと増えた時期にも、静かに数を減らしているいまの状況にも、この「贈り物である」という一点が効いています...
歴史と変遷の話

日本で毎年の誕生日を祝われたのは、長いあいだ天皇だけだった——ケーキもろうそくも、戦後にやってきた

日本で毎年の誕生日を祝ってもらえる人は、長いあいだ一人しかいませんでした。天皇です。ほかの人が年をとるのは元日で、しかも全員いっしょでした。ケーキを出す。ろうそくを立てる。吹き消して願い事をする。歌をうたう。この一式が普通の家庭に届いたのは...
歴史と変遷の話

結婚指輪が先で、婚約指輪は60年あと——二つの指輪は役割も日本に届いた順番も違う

婚約指輪と結婚指輪は、似た形をしていても役割がはっきり分かれています。婚約指輪は結婚の約束を交わすときに片方から贈られるもの、結婚指輪は式で二人が交換して着け続けるものです。値段の相場も、買う人の割合も、そして日本に入ってきた時期さえ違いま...
言葉と論理の話

ビールで乾杯しない国、水で乾杯しない国——はっきりした理由が語られるのは、いつも「やらない」ほうだった

乾杯でグラスを合わせる理由は、実のところ分かっていません。毒を盛られていないと確かめるためだ、という説明を聞いたことがあるかもしれません。あれは後から作られた話とされ、いくつもの検証で根拠のなさが指摘されています。ところが妙なもので、「グラ...
言葉と論理の話

切手は「NIPPON」、パスポートは「JAPAN」——「Japan」のほうは中国語の発音から生まれた

郵便切手の隅には「NIPPON」と印刷されています。ところがパスポートの表紙に金色で押されているのは「JAPAN」です。どちらも同じ国を指しているのに、綴りがまるで違います。この食い違いは、うっかり揃え忘れたわけではありません。「NIPPO...
社会と仕組みの話

首都が3つある国と、首都を一つも決めていない国——世界の首都はどうやって決まるのか

オーストラリアの憲法には、首都をどこに置くかではなく、どこに置いてはいけないかが書かれています。ニューサウスウェールズ州の中であること。そしてシドニーから100マイル(約160キロ)以上離れていること。この条件を満たす牧草地の一角に、あとか...
社会と仕組みの話

カナダとアメリカの国境は、緯度49度から最大810メートルずれている——正しいのは、ずれたほうの線

北アメリカ大陸を横切るカナダとアメリカの国境は、約2,030キロにわたって北緯49度をなぞる一本の直線です。ところが地面に立っている標石をたどると、線は本当の北緯49度から南へ北へと小刻みに外れていきます。そのずれは最大で810メートル。1...
言葉と論理の話

ミドルネームは「3つ目の名前」ではない——アメリカ大統領に初めて現れたのは6人目から

ミドルネームは、姓と名に続く三つ目の名前ではありません。英語圏の名前は「与えられた名(given name)」と「受け継いだ姓(surname)」の二種類でできていて、ミドルネームは前者の仲間です。ファーストネームの相棒であって、姓と並ぶ独...
言葉と論理の話

南京錠の「南京」は地名ではなく「舶来」の印——同じ錠に「西洋錠」という別名もある

辞書で「南京錠」を引くと、別名の欄に「西洋錠」という言葉が並んでいます(精選版 日本国語大辞典)。東の都市の名を冠した錠に、まったく反対の方角の別名が付いている。どちらかが間違っていそうに見えますが、じつは二つとも間違っていません。「南京」...