トリュフチョコの起源と歴史 — フランスの失敗作から、日本のバレンタイン定番まで

雑学・教養
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バレンタインの定番として親しまれている「トリュフチョコレート」。コロンとした丸い形と、口の中でほどけるなめらかな食感が魅力ですが、その名前は実は高級食材のキノコ「トリュフ」に由来しています。誕生は19世紀末のフランス、ある菓子店での出来事がきっかけだったといわれています。

トリュフチョコは「キノコに似た菓子」として生まれた

トリュフチョコが今の形になるまでの流れを、年表で確認しておきましょう。

時代できごとポイント
1895年フランス・シャンベリでトリュフチョコレートが作られたとされるキノコの「トリュフ」に似た丸い菓子が誕生
1902年アントワン・デュフールが菓子店「プレスタ」を開業「ナポレオン三世のトリュフ」として知られるようになる
20世紀ヨーロッパ各国の専門店が取り扱うように「高級チョコレート」の代名詞として定着
1970年代以降日本でバレンタインの手作りチョコとして人気にシンプルな材料で本格的に見える
現代フレーバーや見た目が多様化“視覚的アート”としても進化中

ここから、それぞれの時代で何が起きていたのかを詳しく見ていきます。

名前の由来は、高級食材「トリュフ」に似ていたから

「トリュフ」は本来、地中で育つ高級キノコ

「トリュフ」とは本来、地中で育つ高級食材のキノコ(セイヨウショウロ)のことです。フランス語では「truffe」と書き、フォアグラ・キャビアと並ぶ三大珍味のひとつとして知られています。チョコレートのトリュフは、このキノコに見た目が似ていることから名づけられました。

丸い形とココアパウダーが、地中のトリュフに似ていた

丸いガナッシュの表面にココアパウダーや粉糖をまぶした姿は、土の中から掘り出したばかりのトリュフ茸の質感によく似ています。この見た目の共通点が、名前の由来になったのです。

誕生は19世紀末のフランス、シャンベリの菓子店から

1895年、シャンベリで作られたという記録

トリュフチョコレートは、1895年12月にフランスのシャンベリという街で作られたという記録が残されています。ガナッシュを丸めてカカオパウダーをまぶすという、現在のトリュフチョコと同じ構成がこの頃すでに生まれていたことになります。

1902年、「プレスタ」の開業で世界に知られる存在に

世界的に広く知られるきっかけとなったのは、1902年にフランス人ショコラティエのアントワン・デュフールが開いた菓子店「プレスタ」でした。同店が考案したレシピは「ナポレオン三世のトリュフ」と名づけられ、現在も同じ名前で販売され続けています。

ヨーロッパの高級チョコから、世界の贈答品へ

20世紀、専門店の広がりとともに「高級」の代名詞に

20世紀に入ると、ヨーロッパ各国のチョコレート専門店がトリュフを取り扱うようになりました。豊かな香りとなめらかな口あたりが評価され、トリュフチョコは「高級チョコレート」の代名詞として定着していきます。

包装しやすく華やかな見た目が、ギフト文化と結びついた

トリュフは一粒ずつ箱に詰めやすく、見た目も華やかなことから、贈答用スイーツとしても重宝されました。バレンタインやクリスマス、母の日といった行事と結びつき、世界各地のギフト文化に広がっていったのです。

日本では「手作りバレンタイン」の定番になった

1970年代以降、本格的に見える手作りスイーツとして人気に

1970年代以降の日本では、トリュフチョコが”手作りバレンタインチョコ”の定番として広まりました。材料も工程もシンプルながら、見た目は本格的なショコラティエ風に仕上がることが、人気の理由のひとつだったといわれています。

フランスとベルギーでは「トリュフ」の中身も異なる

フランスでは、ガナッシュとココアパウダーだけのシンプルな「クラシック・トリュフ」が主流です。一方ベルギーでは、ナッツペーストをベースにした「プラリネ」に近いものがトリュフと呼ばれることもあり、国によってチョコレート文化の違いが表れています。

知っておくと面白い豆知識

本物のトリュフ(キノコ)とは、香りも価格も別物

見た目は似ていても、本物のトリュフ(キノコ)は香りが強く、価格も非常に高価な食材です。用途もまったく異なりますが、「掘り出す宝物」のような特別感を演出する点では、どちらも共通しているといえそうです。

「生・焼き・冷凍」など、トリュフにも種類がある

チョコトリュフには、冷蔵保存が基本の「生トリュフ」のほか、表面を焼いて香ばしさを加えた「焼きトリュフ」・長期保存に向く冷凍トリュフもあります。用途やシーンに応じて使い分けられているのです。

「プラリネ」との違いは、中身の質感にある

「プラリネ」は、ナッツペーストや砂糖を混ぜたフィリングをチョコレートでコーティングしたお菓子です。一方トリュフは、基本的にガナッシュがベース。外見は似ていますが、中身の質感と製法には違いがあります。

丸い形には、成形のしやすさという理由もある

トリュフが丸い形をしているのは、トリュフ茸に似せるためだけではありません。スプーンやディッシャーで均一に丸めやすいという、成形のしやすさも理由のひとつです。冷やし方や温度管理が、なめらかな丸みを左右します。

トリュフチョコレートは、フランスの菓子店で生まれた小さな一粒です。それが高級チョコレートの代名詞となり、日本では手作りバレンタインの定番にまでなりました。シンプルなガナッシュの中に、各国の職人たちが積み重ねてきた工夫が詰まっています。

次にトリュフチョコを口にするときは、その丸い形に込められた小さな歴史を思い出してみてください。

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