言葉と論理の話

「あいうえお」の並びはどうやって決まったのか——お経を正しく読むために作られた表

「あいうえお、かきくけこ」という並びは、日本語の都合で決まったものではありません。もとをたどれば、インドの文字を並べた表の順番です。表を作ったのも、子どもに文字を教えたい人ではありませんでした。お経を正しく読みたい平安時代の僧侶たちです。私...
からだの話

ほくろはなぜできるのか——シミとの違いは「色」か「細胞」か

ほくろは、日焼けの跡がそのまま濃く残ったシミの一種ではありません。色素をつくる細胞そのものが、皮膚の一か所に集まってできた小さなできものです。シミが「色がついた状態」だとすれば、ほくろは「細胞のかたまり」。この違いが、盛り上がるほくろや、毛...
言葉と論理の話

「猫舌」の由来——猫は本当に熱いものが苦手なのか

「猫舌」の「猫」は、たとえではありません。猫は本当に熱いものを口にできない動物です。自然界には、捕まえた獲物の体温より熱い食べ物が存在しないからだとされています。ところが人間のほうの猫舌は、事情がすこし違うようです。舌そのものの性能差ではな...
生きものの話

「ファーストペンギン」の由来——最初に飛び込む一羽は、本当に勇敢なのか

「ファーストペンギン」は、天敵が潜んでいるかもしれない海へ、群れの中で最初に飛び込む一羽のことです。そこから転じて、危険を引き受けて誰よりも先に動く人や企業を指す言葉として使われています。ただ、南極の氷の縁で実際に起きていることを追うと、絵...
社会と仕組みの話

「交番」はなぜ世界で「KOBAN」と呼ばれるのか——建物ではなく仕組みごと輸出された

ブラジル最大の都市サンパウロの街角には、「KOBAN」と書かれた小さな建物が立っています。ポルトガル語でも英語でもなく、日本語をそのままローマ字にした五文字です。日本の交番には「police box」というきちんとした英訳があります。それで...
言葉と論理の話

稲妻・稲光・雷は何が違うのか——光の名前・音の名前・全体の名前

空がぱっと光り、少し遅れて音が鳴る。ひとつながりに見えるあの出来事を、日本語は「稲妻」「稲光」「雷」と呼び分けてきました。光の部分を指すのが稲妻と稲光。光と音をまとめた現象そのものが雷です。では、空の放電になぜ「稲」の字が入っているのでしょ...
生きものの話

カラスはなぜ賢いのか——道具を使い顔を覚える鳥

ゴミ置き場を荒らす黒い鳥、というだけの印象で片づけてしまうと、カラスの正体を見誤ります。枝を削って道具を作り、水位を計算して餌を取り、一度こわい目にあわせた人の顔を何年も忘れない。研究者たちが実験でたしかめてきたカラスの能力は、鳥という枠を...
文化と価値観の話

恵方巻きの方角は毎年どうやって決まるのか

節分が近づくと、恵方巻きのパッケージに「今年の恵方は南南東」と刷り込まれます。毎年ちがう方角が指定されるので、誰かがその都度決めているように見えるかもしれません。ところが恵方は、じつは昔から4つの方角をぐるぐる回っているだけです。しかも、ど...
身近な科学の話

地震の「P波」と「S波」は何が違うのか——初期微動と主要動

地震のとき、まず「カタカタ」と小刻みに揺れ、少し遅れて「グラグラ」と大きく揺れる——この二段構えを体感したことがある人は多いはずです。この時間差をつくっているのが、震源から同時に走り出す二種類の波、P波とS波。同じ地震から生まれたのに、正体...