身近な科学の話

生きものの話

シマウマは「白地に黒」か「黒地に白」か——皮膚は一色、縞は毛だけにある

シマウマの縞は、黒い地に白い縞が入ったものだと考えられています。決め手になるのは見た目の面積ではありません。皮膚の色と、縞ができあがる順番のほうです。とはいえ「白地に黒だろう」と答えたくなる理由も、ちゃんとあります。腹が真っ白な種がいるから...
モノと道具の話

ガラスは「固体」か「液体」か——古い窓の下が厚いのは流れたからではない

ガラスは固体です。「じつは液体で、何百年もかけてゆっくり流れ落ちている」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、常温のガラスは流れません。古い教会の窓が下のほうで厚くなっているのも、垂れた結果ではありませんでした。とはいえ、この俗説がこ...
からだの話

ほくろはなぜできるのか——シミとの違いは「色」か「細胞」か

ほくろは、日焼けの跡がそのまま濃く残ったシミの一種ではありません。色素をつくる細胞そのものが、皮膚の一か所に集まってできた小さなできものです。シミが「色がついた状態」だとすれば、ほくろは「細胞のかたまり」。この違いが、盛り上がるほくろや、毛...
言葉と論理の話

稲妻・稲光・雷は何が違うのか——光の名前・音の名前・全体の名前

空がぱっと光り、少し遅れて音が鳴る。ひとつながりに見えるあの出来事を、日本語は「稲妻」「稲光」「雷」と呼び分けてきました。光の部分を指すのが稲妻と稲光。光と音をまとめた現象そのものが雷です。では、空の放電になぜ「稲」の字が入っているのでしょ...
生きものの話

カラスはなぜ賢いのか——道具を使い顔を覚える鳥

ゴミ置き場を荒らす黒い鳥、というだけの印象で片づけてしまうと、カラスの正体を見誤ります。枝を削って道具を作り、水位を計算して餌を取り、一度こわい目にあわせた人の顔を何年も忘れない。研究者たちが実験でたしかめてきたカラスの能力は、鳥という枠を...
身近な科学の話

地震の「P波」と「S波」は何が違うのか——初期微動と主要動

地震のとき、まず「カタカタ」と小刻みに揺れ、少し遅れて「グラグラ」と大きく揺れる——この二段構えを体感したことがある人は多いはずです。この時間差をつくっているのが、震源から同時に走り出す二種類の波、P波とS波。同じ地震から生まれたのに、正体...
暮らしの知恵

「単純温泉」は何が“単純”なのか——泉質の分類

「単純温泉」の「単純」は、成分の乏しい安っぽい湯という意味ではありません。温泉に溶けている物質の総量が、ある基準に届かないというだけの話です。中身が単純なのではなく、数字が控えめ。ここを取り違えると、隠れた名湯を「ただのお湯」と読み違えてし...
モノと道具の話

ボタン電池「CR2032」の数字は何を表すのか——左から読むとサイズと中身がわかる

テレビのリモコンや体温計、車のスマートキーを開けると出てくる、コイン形の小さな電池。その表面に刻まれた「CR2032」という文字列は、メーカーが適当に振った製品番号ではありません。左から順に読んでいくと、電池の中身・形・大きさが、そのまま書...
身近な科学の話

方位磁石はなぜ北を指すのか——地球という大きな磁石

方位磁石の赤い針が、いつも同じ方向でぴたりと止まる。あれは、地球そのものが巨大な磁石になっているからです。ただし少しあまのじゃくな話で、北極のあたりにあるのは磁石の「N極」ではなく「S極」。異なる極どうしは引き合うので、針のN極が北へ引き寄...