雑学・教養

社会と仕組みの話

「交番」はなぜ世界で「KOBAN」と呼ばれるのか——建物ではなく仕組みごと輸出された

ブラジル最大の都市サンパウロの街角には、「KOBAN」と書かれた小さな建物が立っています。ポルトガル語でも英語でもなく、日本語をそのままローマ字にした五文字です。日本の交番には「police box」というきちんとした英訳があります。それで...
言葉と論理の話

稲妻・稲光・雷は何が違うのか——光の名前・音の名前・全体の名前

空がぱっと光り、少し遅れて音が鳴る。ひとつながりに見えるあの出来事を、日本語は「稲妻」「稲光」「雷」と呼び分けてきました。光の部分を指すのが稲妻と稲光。光と音をまとめた現象そのものが雷です。では、空の放電になぜ「稲」の字が入っているのでしょ...
生きものの話

カラスはなぜ賢いのか——道具を使い顔を覚える鳥

ゴミ置き場を荒らす黒い鳥、というだけの印象で片づけてしまうと、カラスの正体を見誤ります。枝を削って道具を作り、水位を計算して餌を取り、一度こわい目にあわせた人の顔を何年も忘れない。研究者たちが実験でたしかめてきたカラスの能力は、鳥という枠を...
文化と価値観の話

恵方巻きの方角は毎年どうやって決まるのか

節分が近づくと、恵方巻きのパッケージに「今年の恵方は南南東」と刷り込まれます。毎年ちがう方角が指定されるので、誰かがその都度決めているように見えるかもしれません。ところが恵方は、じつは昔から4つの方角をぐるぐる回っているだけです。しかも、ど...
身近な科学の話

地震の「P波」と「S波」は何が違うのか——初期微動と主要動

地震のとき、まず「カタカタ」と小刻みに揺れ、少し遅れて「グラグラ」と大きく揺れる——この二段構えを体感したことがある人は多いはずです。この時間差をつくっているのが、震源から同時に走り出す二種類の波、P波とS波。同じ地震から生まれたのに、正体...
言葉と論理の話

テニスの点数はなぜ「15・30・40」と数えるのか

0点を「ラブ」と呼び、1点取れば15。次の2点目で30、そして3点目だけが40です。テニスのスコアは数の増え方も呼び名も、ほかの球技とまるで違っています。1点ずつ数えれば済むところを、なぜこんな飛び飛びの数列にしたのでしょうか。しかも15・...
暮らしの知恵

「単純温泉」は何が“単純”なのか——泉質の分類

「単純温泉」の「単純」は、成分の乏しい安っぽい湯という意味ではありません。温泉に溶けている物質の総量が、ある基準に届かないというだけの話です。中身が単純なのではなく、数字が控えめ。ここを取り違えると、隠れた名湯を「ただのお湯」と読み違えてし...
言葉と論理の話

「肴(さかな)」の語源に魚は出てこない——「酒(さか)+菜(な)」が先にあった

「肴(さかな)」という字に、魚偏は入っていません。部首は「肉」です。酒の席に出るものを「さかな」と呼ぶのは、魚が多いからだと思われがちです。ところが、順番は逆でした。先にあったのは「酒(さか)」と「菜(な)」を足した言葉のほうで、そこには野...
生きものの話

蜂はなぜ黒い服や髪を攻撃するのか——天敵「クマの色」に反応している

夏の草むしりや山歩きで、頭のまわりをハチにしつこく飛ばれた——そんな経験はないでしょうか。とくにスズメバチは、黒っぽい服や髪の毛をめがけて寄ってくることが知られています。その理由をたどると、ハチの「目の見え方」と、彼らがいちばん恐れる天敵の...