制度・インフラの歴史

社会と仕組みの話

消臭剤と芳香剤は何が違うのか——香りを足すのは四つのうち一つ

消臭剤と芳香剤の違いは、パッケージの片隅にある「品名」の欄で見分けられます。ここに入る言葉は四つあり、香りを足す仕事をしているのは、そのうち「芳香剤」だけです。四つを決めているのは法律ではありません。メーカーが集まってつくった業界の自主基準...
文化と価値観の話

落語と講談は何が違うのか——会話の芸と、読む芸

寄席の高座に小さな机が置かれていたら、次に上がるのは落語家ではなく講談師です。落語と講談を外から見分ける目印として、これがいちばん分かりやすいものになります。ただし机は結果であって、理由ではありません。机が要る芸と要らない芸に分かれたのは、...
歴史と変遷の話

表千家と裏千家は何が違うのか——屋敷の表と奥から

表千家と裏千家を分けているのは、教えの正統さでも作法の格でもありません。京都の寺之内通(てらのうちどおり)に面して建つ茶室が「表」、その奥に建つ茶室が「裏」。呼び名の出どころは、屋敷のどこに建物があるかという、それだけの話です。三千家(さん...
社会と仕組みの話

年賀状はなぜ元日に届くのか——年末に預かって止めている

元日の朝に届く年賀状は、たいてい十二月のうちに出されたものです。ポストに入れてから元日まで、はがきは郵便局に預かられたまま止まっています。郵便は一日でも早く届けるための仕組みです。その中で年賀状だけが、わざと止めて、決まった日にそろえて配ら...
文化と価値観の話

銭湯の壁はなぜ富士山なのか——東京の一軒から広まった

銭湯の壁の富士山は、日本中の銭湯にあるわけではありません。大阪の銭湯に入ると、壁を飾っているのは焼き付けたタイルの絵であることが多く、あの大きな富士山は見当たらないのが普通です。では東京の壁には、なぜ富士山が並んだのでしょうか。理由は一つで...
モノと道具の話

絵文字はなぜ世界で「emoji」と呼ばれるのか

「絵文字」は、英語に訳されないまま emoji として世界語になった日本語です。picture character のような訳語が当てられたのではなく、日本語の音がそのまま借りられました。1999年に176字で始まったその一組は、いまUni...
歴史と変遷の話

マラソンはなぜ42.195kmなのか——一度きりの距離

マラソンの42.195キロという数字が世界共通の決まりになったのは、1908年のロンドン五輪ではありません。国際陸上競技連盟がこの距離を標準として認めたのは、13年あとの1921年です。ロンドンで測られた26マイル385ヤードは、その大会か...
歴史と変遷の話

花札はなぜ48枚なのか——南蛮渡来の札と同じ枚数

花札は一組四十八枚で、十二か月に四枚ずつ割り当てられています。南蛮渡来のかるたも一組四十八枚でしたが、こちらは四つの絵柄に十二枚ずつという割り方でした。同じ四十八枚を、縦と横だけ入れ替えた形です。絵柄が何を意味するのかという話は、この器を先...
歴史と変遷の話

花魁と遊女は何が違うのか、横並びではなく入れ子の関係

「花魁(おいらん)」と「遊女(ゆうじょ)」は、横に並べて見比べる二つの職業ではありません。遊女が総称で、花魁はそのなかの上のほうだけを指す呼び名です。しかも花魁は、江戸の吉原でしか使われなかった言葉でした。万治(まんじ)元年、西暦でいえば1...