ことばと論理

からだの話

貧乏ゆすりはなぜ「貧乏」なのか——ジグリングという効用

会議中に前の席の人の膝が細かく揺れていると、つい目がいってしまいます。行儀が悪い、落ち着きがない——貧乏ゆすりに向けられる視線は、だいたい冷ややかです。ところがこの動き、整形外科の外来では「ジグリング」という別の名前で呼ばれ、患者さんに勧め...
言葉と論理の話

ゴキブリという名前はどこから来たのか、明治の辞典に何があった?

江戸時代の百科事典を開いても、「ゴキブリ」という虫は載っていません。そこに書かれているのは「御器噛(ごきかぶり)」。いまの呼び名より、一文字だけ長い名前です。この「カ」は、どこへ消えたのか。手がかりは、明治17年に出た一冊の用語辞典に残って...
言葉と論理の話

「あばたもえくぼ」の「あばた」とは何か、赤べこと同じ病気の話だった

「あばた」とは、天然痘が治ったあとに顔へ残る小さなくぼみのことです。惚れた相手なら、その痕さえ笑ったときのえくぼのように見える——「あばたもえくぼ」は、そういう言い回しです。意味は誰でも知っています。ところが「あばた」のほうを実際に見たこと...
言葉と論理の話

「蜃気楼」の「蜃」は天気の字ではない、では何の字なのか

「蜃気楼」の「蜃」は、空や天気を表す字ではありません。生きものの名前です。しかも大きなハマグリを指します。海の上に浮かぶ楼閣は、その貝が吐いた息が形になったもの——古代の中国はそう説明していました。三文字のうち、いまの科学に引き継がれたもの...
言葉と論理の話

「馬鹿」の語源はどこから来たのか、馬と鹿は関係ある?

「馬鹿」という字を分解すると、馬と鹿が並びます。けれど意味の上では、この二頭はどちらも無関係とされています。音を写すために選ばれただけの字だからです。では、その音はどこから来たのでしょうか。ここが厄介なところで、国語辞典の語源欄にはいくつも...
言葉と論理の話

ボクシングの階級名はなぜ鶏や羽根なのか、バンタムの語源をたどる

ボクシングの「バンタム級」のバンタム(bantam)は、小型の鶏を指す英語です。しかもその鶏の名前は、インドネシア・ジャワ島の港町から来ています。日本では井上尚弥選手の活躍でいちばん耳になじんだ階級名かもしれませんが、もとをたどると鶏小屋に...
言葉と論理の話

北海道の地名はなぜ読めないのか、読める町との違いは?

「音威子府(おといねっぷ)」「妹背牛(もせうし)」「歌志内(うたしない)」。北海道の地図には、漢字をいくら眺めても読み方の見当がつかない地名が並んでいます。読めない理由ははっきりしていて、これらの漢字が意味をまったく担っていないからです。北...
からだの話

「寝耳に水」は耳に水が入る話ではない、では何の水なのか

「寝耳に水」の「水」は、耳の中に入った水ではありません。もとの形が指していたのは、眠っているところへ聞こえてきた大水の音でした。400年ほど前の書物に残る用例をたどると、この言い回しが生まれた場面がはっきり見えてきます。そのうえ「寝耳に擂り...
言葉と論理の話

本命や対抗や大穴はどこから来た言葉か、競馬新聞から選挙に渡った

「本命」「対抗」「大穴」「ダークホース」。選挙の開票速報で当たり前のように流れるこれらの言葉は、たどっていくとほとんどが競馬場と競馬新聞にたどり着きます。政治の言葉でもスポーツの言葉でもなく、馬券を買う人たちの言葉が、いつのまにかニュースの...