文化と価値観の話

歴史と変遷の話

盆踊りの起源は何か——念仏踊りが先にあった

お盆に踊るのはなぜか。この問いに一本の線で答えようとすると、必ずどこかで話がつながらなくなります。踊りの側と、お盆の側では、出どころがそもそも別だからです。念仏を唱えながら踊る人たちは、盆とは関係のない時期にも踊っていました。盆踊りは、起源...
文化と価値観の話

おみくじの「吉」と「中吉」はどちらが上か

おみくじで「吉」を引いたとき、それが大吉の次なのか、それとも小吉より下なのか。迷ったことのある人は多いはずです。その順番を全国で決めている決まりは、どこにもありません。神社本庁の説明も「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」といった並びを挙げたう...
言葉と論理の話

破魔矢が狙っていたのは魔ではなく、「はま」という藁の輪だった

破魔矢の「はま」は、もともと魔のことではありませんでした。藁(わら)や蔓(つる)を丸く編んだ的の名前が「はま」で、それを射るための弓矢だから「はま弓」「はま矢」と呼ばれた、というのが辞典の説明です。つまり矢が狙っていたのは、目に見えない魔で...
歴史と変遷の話

鏡餅はなぜ「鏡」と呼ぶのか——上の橙は「代々」の意味

鏡餅の「鏡」は、顔を映すための鏡ではありません。もとになっているのは、青銅を丸く磨いた古い時代の鏡です。上に載っている橙にも、みかんでは肩代わりしきれない理由があります。正月のあいだ床の間や玄関に置かれているあの丸い餅は、飾りというより供え...
歴史と変遷の話

しめ縄は何のために張るのか——「しめ」は「占める」

天岩戸(あまのいわと)に張られた最初のしめ縄は、外から悪いものが入らないようにするための縄ではありませんでした。『古事記』では、岩屋から引き出された天照大御神(あまてらすおおみかみ)の背後にこの縄が渡されます。告げられた言葉は「ここから内へ...
歴史と変遷の話

だるまの目はどちらから入れるのか——「左目から」の意味

だるまの目は「左目から入れる」と説明されます。ただしこの「左」は、だるま自身から見た左です。向かい合って筆を持つ私たちの側からは、右側の目にあたります。作法を調べていくと、「左目に入れる」と書かれた資料と「向かって右に入れる」と書かれた資料...
文化と価値観の話

招き猫の右手と左手は何が違うのか——右手=お金とは限らない

招き猫は、右手を上げていれば金運、左手を上げていれば人(客)を招く。縁起物売り場ではそう説明されることがほとんどです。ところが招き猫発祥の地を名乗る東京・世田谷の豪徳寺では、境内で授与される猫がそろって右手を上げていて、しかも小判をひとつも...
歴史と変遷の話

厄年は神社と寺でなぜ違うのか——年齢も数え方も違う

厄年の年齢を調べると、見た先によって答えが変わります。神社本庁の案内では女性の本厄は19歳・33歳・37歳・61歳ですが、川崎大師の案内に37歳はなく、代わりに60歳が並びます。しかも前者は数え年、後者は満年齢です。同じ「厄年」という言葉を...
歴史と変遷の話

花魁と遊女は何が違うのか、横並びではなく入れ子の関係

「花魁(おいらん)」と「遊女(ゆうじょ)」は、横に並べて見比べる二つの職業ではありません。遊女が総称で、花魁はそのなかの上のほうだけを指す呼び名です。しかも花魁は、江戸の吉原でしか使われなかった言葉でした。万治(まんじ)元年、西暦でいえば1...