ことばと論理

文化と価値観の話

「二の舞」はもとは雅楽の舞、なぜ失敗をくり返す意味になった?

「二の舞」は、もともと雅楽の舞楽にある曲の名前です。「安摩(あま)」という舞が終わると、笑った老爺と腫れた顔の老婆の面をつけた二人が登場し、いま見たばかりの安摩をまねて舞います。ところが、どうにもうまくまねられません。前の人をまねて、同じよ...
言葉と論理の話

「折り紙付き」の折り紙はどんな紙なのか、鶴を折る紙と同じ?

「折り紙付き」の折り紙は、鶴を折る色紙のことではありません。和紙を横に二つ折りにして書いた「文書」の形を指す言葉です。江戸時代には刀剣や書画の鑑定書がこの形で出されたため、「鑑定書がついている品」がそのまま「間違いのない品」という意味に育ち...
言葉と論理の話

「いの一番」の「い」はいろは歌か、家の柱か

「いの一番」の「い」は、いろは歌のいちばん最初の一字です。手もとの辞書を引くと、どれも同じようにそう書いてあります。ところが世の中では、大工が家を建てるときに使う記号から生まれた言葉だ、という説明のほうがよく語られています。二つの説は対立し...
文化と価値観の話

「一目置く」の一目は碁石ひとつ、では「駄目」の目はどこ?

「一目置く」の「一目」は、碁盤の上の一点を指す言葉です。実力に差のある二人が囲碁を打つとき、弱い側が先に盤へ石を置いてから勝負を始めます。その石ひとつぶんが「一目」で、相手の腕を認めて一歩譲るという今の意味は、ここから広がりました。もう一方...
言葉と論理の話

「相槌を打つ」の槌はどんな槌か、なぜ聞く側が打つ?

「相槌を打つ」の槌は、鍛冶場で使う本物の槌のことです。師匠が槌を打ち、その合間に弟子がもう一本の槌を入れる。この二人がかりの打ち方を相槌と呼びました。話を聞く側が「打つ」と言われるのは、合図を受けて槌を入れるのが主役ではないほうの役目だった...
言葉と論理の話

「図星」の星はどこの星なのか、鍼の急所も図星と呼ばれた

図星は、弓の的の真ん中に描かれた黒い丸のことです。弓道で使う「星的(ほしまと)」は白い的で、その中心に黒い円がひとつだけ置かれます。この黒丸を「星」と呼び、狙って射抜く一点だったところから、相手の思惑をぴたりと言い当てる意味に広がりました。...
言葉と論理の話

「うだつが上がらない」のうだつは、家のどこにあるのか

うだつは、町家(まちや)の屋根の両端で一段高くなっている小さな壁のことです。隣の家との境目に立ち、上には小さな屋根と瓦が載っています。もとは、隣から燃え移る火を止めるための壁でした。ただし土を塗り重ねて漆喰(しっくい)で仕上げ、瓦まで葺くと...
言葉と論理の話

「十八番」をなぜ「おはこ」と読むのか、箱には何が入っていた?

「十八番」を「おはこ」と読む理由として、いちばんよく挙げられるのは箱の話です。歌舞伎の市川團十郎(いちかわだんじゅうろう)家が、家に伝わる十八の演目の台本を箱へ入れて大切にしまっていた。そこから来た読み方だとされています。ただし、これで決ま...
言葉と論理の話

背広の語源はどこにあるのか、法令には今も「背広型」とある

「背広」という言葉がどこから来たのかは、いまも決まっていません。国語辞典を開くと語源の欄に説がいくつも並んでいて、辞典のほうがどれか一つに決めていないのです。ロンドンの洋服屋街サヴィル・ロウ・市民服を意味する英語・羊毛の産地・ずんどうの上着...